カッコつけないところがカッコいい

――巻末には、山里さんと若林さん、それぞれとの対談が掲載されています。まずは若林さんとの対談はいかがでしたか?

安島 若林くんとはずっと喋ってきているので、対談でもそれをまんまやった感じです。自分の中でいろんなことを考えて、そのなかに答えや要素を持っている人だから、それを僕に当ててもらって、時々「あなたが言ってるこれが、その答えじゃないでしょうか」と返す……ということをやった感じですね。

――山里さんとのやりとりも印象的でした。冒頭に「若ちゃんとは深い話をしたらしいじゃない」と先制パンチがありましたよね。

安島 対談に入る前のウオーミングアップみたいな部分だけど、“残したいな”と思ったんですよね。ああいう感じなんですよ。あの人(笑)。

――最高だと思います(笑)。

安島 何度か「それ、エンターテインメントでやってない?」「期待されている山里亮太やってるでしょ?」と聞いたことがあるんですけど、彼は「マジで浮かんじゃうからしょうがない」って言うんです。「言っていい場だから言うだけ」というスタンスでいるし、ずっとそういうことを考えている人なんですよね。それが伝わったらいいなと思いました。

▲『だが、情熱はある』制作現場にも情熱がありました

――改めて、山里さんと若林さんの人間として、芸人として、魅力的なところを教えてください。

安島 ベースに「尊敬できる」という考えがあるから(2人と関係性が)続いていると思うんです。結局、山ちゃんも若林くんも、僕の言ってることを聞いてるようで全然聞かない(笑)。シンプルに意思が強いんですよ。ただ、いろいろ迷ったり、立ち止まったりすることもある。

そのさまを作品やいろんなものに昇華するところが、尊敬できるところで。やっぱり年を取ったらどんどんカッコつけちゃうんですけど、2人はカッコつけないところが、カッコいいなって思います。

バナナマン、おぎやはぎ、ラーメンズ(安島氏が立ち上げた伝説のユニット「君の席」の3組)など、本にも書かせていただいた人たちもそうですが、そういう人たちと仕事をするのが好きだし、そういう人たちとは、仕事から離れても話を聞きたいなと思うんですよね。

(取材:浜瀬将樹)


プロフィール
 
安島 隆(あじま・たかし)
1973年東京都生まれ。1996年日本テレビ入社。ゴールデン帯から深夜帯、ライブまでヒット企画を手がける異端の演出家。南海キャンディーズ山里亮太とオードリー若林正恭のユニット「たりないふたり」はライブと番組連動の先駆けとなり、解散ライブはお笑い単独ライブ配信史上最多の 5万5000人が視聴。山里・若林を描いたドラマ『だが、情熱はある』ではふたりをつなげたプロデューサー役のモデルに。他にもバナナマン・ラーメンズ・おぎやはぎの伝説的なユニット「君の席」「潜在異色」など。また「得する人損する人」「解決!ナイナイアンサー」「ヨロシクご検討下さい」「コレってアリですか?」など、ヒット番組多数。X(旧Twitter):@takashiajima