超個性的な車体のカラーリングが『アメト――ク!』(テレビ朝日系列)の「バイク芸人」で“ソープランドピンク”と命名されて以来、日本一有名なバイクとなったスピードワゴン・井戸田潤の愛車。番組ではイジられていたが、彼は生粋のバイカーであり、“SLP号”以外にもバイクを所有する趣味人である。
ニュースクランチのインタビューでは、そんな井戸田の趣味にかたむける熱い思いを語ってもらった。
「ハンバーグ師匠がいるぞ!」ってバレます
――井戸田さんの愛車といえば、ピンクのハーレーですよね。
井戸田潤(以下、井戸田) 『アメト――ク!』で、このバイクがSLP号になってからは、世間の皆さんにもイジっていただけるようになったんですけど……そういう状況に対して、芸人としての自分と、バイカーとしての自分とで、じつはギャップが生まれていたんですよ。
芸人としては、このバイクがきっかけでフィーチャーされることはうれしいし、イジってもらえるのもオイシイじゃないですか。でも有名になったことで、例えばこのバイクを駐車していると「この辺にハンバーグ師匠がいるぞ!」って一発でバレちゃうんで、あんまり堂々と乗れなくなっちゃったんですよね。それってバイカーとしては、やっぱりキツイんですよ。
――そんな葛藤が……。ここまで注目を集めてしまうとは、購入時点では考えてなかったですよね。
井戸田 ハーレーのディーラーでひと目見て、単純に「カッコいいなあ」としか感じていなかったから、こんなにイジられるなんて予想外すぎましたよ。でも今や、この一台は『アメト――ク!』が生んだバイクだと思っていますけどね。
それと、もはやSLP号としてだけでなく、“呪いのバイク”という別の異名まで付いちゃってますから。買ってから10年経った今、こうやっていろいろな意味で有名になって、歴史を刻んできた一台となりました。
――周りからの評価によって影響されることなく、一切ブレずにご自身のバイクを愛し続けてきたんですね。
井戸田 このバイクも、他のバイクもそうなんですけど……マンションのガレージに駐めて、車体から遠ざかりながら、しばらく眺めちゃいますもん。「うわ、今日もかっこいいな」って、10年経った今でも新鮮に感じるんですよ。「あのバイク、まだ乗ってるんですか?」って、たまに言われるんですけど、いやいやこれからもずっと乗るから!
――金属バットさんが、YouTubeで「井戸田さんが、あのバイクくれる」みたいなことを話してましたけど、全然譲る気配はなさそうですね。
井戸田 そんなこと言ってたの!?(笑) なんでそんな話になったんだ? 『THE SECOND』の決勝1回戦が終わって、金属バットに「いやいや、そんな点数で終わるはずがない。よかったよ!」みたいな声はかけてたんで、その流れでそういうことになったのかな。全然覚えてないけど、絶対あげない!
綾瀬はるかさんが師匠です(笑)
――井戸田さんの好きなものに対するスタンスって、すごく真っ直ぐですよね。趣味に没頭する人のなかには、愛情が屈折しちゃったり、しがらみが生まれるパターンも多いと思うのですが。
井戸田 俺、趣味はあっても、めちゃくちゃ詳しいわけでもないんですよ。バイクだって、40歳くらいで初めて大型免許取ったわけだし。でも、だからこそ無駄なしがらみもなく、好きなことに打ち込めているのかもしれないですね。
たしかに、沼にハマっている人たちって“話がこじれてるな”というのは、俺も感じるんです。「40歳で大型免許を取った」って言うと、長年その沼にいる人たちからは「遅ぇよ」みたいな声をもらうんですけど、“遅いとか、関係なくないか?”って。
大型バイクって、世間で言われているほど全然ハードル高くないし、排気量が大きいだけだから、最初に乗るときはちょっと緊張するとは思うけど、ホント、みんなに気軽に乗ってほしいです。
――今や男性の美容に対する関心が高まって久しいですが、井戸田さんは芸人界でイチ早く美容について気を使いだしていましたよね。そういうフットワークの軽さも、しがらみの無さからきているのかなと。
井戸田 そうかもしれないです。基礎化粧品については、20代の頃に同棲していた女の子のマネをして使ったことがきっかけで「あ、いいな!」って、何気なく始めたのが今まで続いているだけですね。
美容に気を使ううえで、俺が目標にしているのは、綾瀬はるかさんなんです。綾瀬さんに憧れてるっていうか、“綾瀬さんになるにはどうすればいいのか”と考えて、スキンケアに勤しんでます。ずっと気を使っているだけあって、俺の肌キレイなんですよ。でも、綾瀬さんの透明感には全然勝てない。なので、綾瀬さんはハンバーグ師匠の“お肌の師匠”です。勝手に言ってますけど(笑)。
ご本人にも、共演したに際にお伝えさせていただいたこともあるのですが、あの美しいお顔で満面の苦笑いをいただいて(笑)。でも、これからも諦めずに目指していきたいです。
――井戸田さんが、いま一番興味があること、これから趣味になるかもと思うことを教えてください。
井戸田 バイクのためにガレージを借りたので、そこでDIYをどんどんやっていきたいなと考えていますね。これまで全然やったことなかったから、所ジョージさんとかヒロミさんと比べたらお子様レベルなんですけど。そういうところから地道に始めていければ。
――以前から井戸田さんは、ご自身で劇場を開きたいって仰っていますよね。劇場をDIYで作ってしまうとかは?
井戸田 ああ、それいいですね。やりたいなあ。「若手芸人のために開きたい」ってより、「“劇場支配人”ってなんかカッコいいからなってみたい」っていう、ただそれだけの理由なんですけど(笑)。いつか趣味が高じて、自分の手で作れたらうれしいですね。
――最後に、井戸田さんの大好きなバイクについてまとめた本、『ハンバーグ師匠のモトライフ』(小社刊)が10月に発売されましたね。11月2日にはHMV&BOOKS SHIBUYAでイベントも開催されるとのことですが、そもそもオファーを受けたときはどんな気持ちでしたか?
井戸田 「師匠が乗っている“あの”ピンクのバイクを書籍化したい」って言われたんですけど、最初は意味がわかんなかったですよ! どういう本なんだ?って。でも、話を聞いてみると、バイク愛について語って、実際に乗っているバイクの写真も一緒に載せて……ということだったので、納得して「ぜひ!」と。
じつは『ソープランドピンクにまたがって』というタイトルを提案していたんですけど、それはさすがに却下になりましたね(笑)。
(取材:菅原史稀)
井戸田潤『ハンバーグ師匠のモトライフ』発売記念イベント
日時:2023年11月2日(木) 18:00~
会場:HMV&BOOKS SHIBUYA
詳細:https://www.hmv.co.jp/store/event/48853/