自分の世代で次の歴史を創っていく決意。しかし…
11月15日後楽園、当時NOAHで無敵だったティモシー・サッチャーを相手にV2に成功すると、今年の元日、日本武道館で大きな勝負を迎えた。挑戦者・拳王との勝負はもちろんだが、ダブル・メインイベントと銘打たれたラストマッチのグレート・ムタvs中邑真輔との勝負だ。
ダブル・メインイベントの名目ながら、事実上セミファイナルとなったGHC戦で、清宮も拳王も心身を削る19分23秒の死闘を繰り広げた。だが、インパクトではムタvs中邑には敵わなかった。
「メインイベントとしてムタvs中邑にライバル心を持っていたのは確かです。自分のGHCで“NOAH、すげぇな!”と思ってもらえるような試合をしたいと思って勝負しましたけど、話題とかそういう部分ではまったく勝てなかったですし、いろんなプロレスがあるんだなっていう、“プロレスの広さ”みたいなものを目の当たりにして……。
なんだろうな、自分の知らない世界を知った思いでしたね。知ることができたからこそ、自分の目指すものはまだまだ広いんだ、もっといろんなことを経験しないと辿り着けないなって。ただ自分の身体を張って戦っていれば、それがNOAHの広がることにつながるのかなと言えば、そうじゃないんだっていうのを痛感しました」
苦い思いを経ての2月12日、エディオンアリーナ大阪におけるジャック・モリスとのGHC3度目の防衛戦。26歳の清宮と29歳のモリスの激突は、まさに新世代のGHC戦であり、“令和GHC新章”として、純粋にプロレスラーとしての心技体をぶつけ合う戦いになった。
「ジャック・モリスと20代同士のGHCというので、NOAHの新しい章が始まったのかなという感じがあって、自分としてはそこからドンドン自分の世代で試合をしていって、次の歴史を創っていきたいなという気持ちでした」
最後は武藤が「100点!」と認めた変型シャイニング・ウィザードで王座防衛。いよいよ清宮の“俺たちのNOAH”が本格始動したと思いきや……思わぬバッドエンドが待っていた。新日本の1月21日横浜アリーナで因縁が生まれたオカダ・カズチカがTシャツ姿で乱入すると、レインメーカーで清宮をKOしてしまったのだ。
三沢光晴二世、武藤敬司の後継者という呪縛を自ら解き、新時代に踏み出した2023年の清宮だったが、ここから試練に見舞われていく――。