「天才小学生」と「最恐の母」シリーズなど、コメディー動画で子どもを中心に絶大な人気を誇るYouTuber「バンカラジオ」。現在では登録者数が90万人を突破し、100万人も目前というまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの、“やねすけ”と“きいた”にニュースクランチが独自インタビュー。二人の出会いや幼い頃の夢、順風満帆ではなかった歩み、そして“好きなことを仕事にするためのコツ”まで聞いた。
出会いは予備校で早稲田大学で意気投合
――子どもたちを中心に絶大な人気を誇るバンカラジオのお二人ですが、きいたさん、やねすけさんの小さい頃の夢を教えてください。
やねすけ:父親がエンジニアをやっていたこともあり、夢を聞かれたら「エンジニア」って答えてました。
――お父さまの職業に就きたいというのは、とても良い子って感じがします。
やねすけ:そう思っていただけるとありがたいですけど、小さい頃って自分の父親以外の人たちがどんな仕事をしているのか、わからないじゃないですか(笑)。そういうのもあったと思いますが、エンジニアってカッコいいなと思ってました。
きいた:夢について印象的なことがあるんですけど、小学校6年生のときにオーストラリアの日本人学校に行ってたんです。そこの卒業式で、将来の夢を発表する場があって「教科書に載るような人物になります」って言いましたね。
やねすけ:カッコいい(笑)!
――本当カッコいいですね!
きいた:子どもの無邪気な感覚ですよ、“たぶん教科書に残るような歴史的な人物だったら、お金持ちになれるに違いない!”くらいの感覚です。
――でも、教科書……とまではいきませんが、子どもたちに支持されて、動画を作成するうえでエンジニアのようなこともしてるでしょうし、お二人の夢は叶ってるようなものですね。
きいた・やねすけ:ありがたいです(笑)。
――お二人の出会いはいつだったのでしょうか。
やねすけ:初めて会ったのは予備校の河合塾ですね。その頃も仲は良かったんですが、同じ第一志望の早稲田大学に入学して、そこで僕は将来的にフリーランスで何かをやっていきたいと思ったり、きいたはその頃ブロガーをやっていました。二人の共通点としてYouTubeが好き。その頃、まだ周りにYouTuberが好きという人があまりいなかったので、じゃあ一緒にやってみようかとなりました。
きいた:僕は大学1年生の頃に短期留学をしてまして、そのときのブログをやねすけが読んでくれてたんです。「ブロガーで稼げるのかな、フリーランスでも食っていけるのかな?」みたいな話をしていて、やねすけは動画編集ができたんで、じゃあYouTubeをやってみようって。
やねすけ:二人だったらなんとかなるんじゃない? くらいの軽い感じでしたね。
――それが、ここまでのチャンネルになるんだからすごいですよね。
きいた:でも、軌道に乗るまでは、本当にYouTuberの全ジャンルをやったんじゃないか、というくらい試行錯誤しましたよ。最初は本当に再生数も伸びなかったので。
ありふれたYouTuberにはなりたくない
――先ほど、河合塾で初めてお会いしたとおっしゃってましたが、お互いの第一印象はどういうものだったのでしょうか?
きいた:やねすけの第一印象は……オシャレですね(笑)。70名くらいが同じスケジュールで授業を受けるんですけど、そこで友人になることって珍しくて。僕はわりと友達を作っていたタイプだったんですが、やねすけは教室で1人で。オシャレだし仲良くなりたかったけど、ずっと1人だし……ちょっと怖い、みたいな(笑)。
やねすけ:そうだったんだ(笑)。
きいた:それが早稲田のオープンキャンパスでたまたま会って、やねすけから声かけてもらって、“わ、意外と優しいじゃん”と思いました(笑)。
やねすけ:(笑)。たしかに、僕は予備校で友達を作るよりかは、ちゃんと勉強しようと思ってたんですけど、きいたはクラスで一大勢力だったんですよ。どんどん勢力を拡大して、騒いでるグループの中心人物ってイメージでしたね。
きいた:それ、あまりいい印象じゃなくない?
やねすけ:(笑)。早稲田のオープンキャンパスでたまたま会って、“同じクラスだし、話しかけないのもなぁ”と思って話しかけました。そこで意気投合した感じですね。
――バンカラジオを見ていていると、お二人の空気感が良いというか、自然と無理なく、お互いを尊重しているように見えるところがいいですよね。
やねすけ:二人ともYouTubeがすごく好きで、学生の頃も人前に出て笑わせる、みたいな感覚が近かったのは大きいと思います。あと、バイタリティーは高かったんじゃないかな。
きいた:意外と周りにそういう感覚が合う人がいなかったんで、一緒にいて無理がなかったし、自然とコンビになっていったんじゃないかなと思います。
――なるほど。あと、バイタリティーは高くても下品じゃない。上品なところがお二人からは感じられます。
きいた:僕が突っ走るタイプで、やねすけがブレーキ役という役割がはっきりしているからかもしれません。やねすけが「それはやめとこうよ」というものは、僕も「ああ、やめといたほうがいいか」って、コンビとしては彼が指針ですね。
やねすけ:そうですね。なんとなく、自分の中で下品なものはやめときたい、みたいなのはありますね。例えば、イメージとしてYouTuberで、ある程度の成功をしてお金がドカッと入ったなみたいに、みんなが思うのは自由でいいんですけど、急にブランド丸出しの服で全身固める、みたいなダサいのはやめとこうという気持ちはあります。
これは一例ですけど、それをやることで逆に埋もれちゃうから、ありふれたYouTuberに自分からなっていくようなことはしたくないですね。もしかしたら、見ている側は気にしてないかもしれないし、なんとなくのイメージで括られているかもしれないけど、作ってる動画は老若男女、皆さんに楽しんでもらえるように作っているので、そこから外れないように、独自のアイデアや見せ方にはこだわっているつもりです。