自分のキャラの着ぐるみに入りたい

ヤシンさんの家では小学生の頃から犬を飼っており、犬についてのエピソードは豊富にあり、漫画のネタに困ることはないと話す。

「小学生から中学生の終わり頃まではプードルを飼ってました。その子に関しては一緒に育ったので、兄弟みたいな感じでした。いま飼っているキャバリアは、孫みたいな可愛がり方してます(笑)。あまりにも可愛がるので、“お犬様”になってます。キャバリアが“こっち来て”って感じで鳴いたら、すぐ行きます。ホントはあんまり犬の言うこと聞きすぎたらダメなんでしょうけど(笑)。庇護欲というか母性が出てしまうんです。

▲これは…バブみがあふれている 本人X(旧Twitter)より

今も未発表の犬エッセイのネームが溜まっています。話したいことはたくさんあるのに、清書する時間がなくて…(笑)。それが書籍になるなんて想像もしてませんでした。友達から“究極の推し活だね”って言われて、たしかに……と思いました。ぬいぐるみも作って、グッズも作って、クラファンもして、漫画も出して。めちゃくちゃ推し活してます。

自分で描いた犬の絵をTシャツにしたりしてますから(笑)。親が欲しいっていうんで作ったんです、家族全員分。もう犬ファンクラブですね。インスタとかでグッズ化されたぬいぐるみを撮ってアップしてくれる人もいるんですけど、絶対に飼っている犬とツーショットなんですよ。そういう写真を見るとうれしいです」

▲自分がモデルのぬいぐるみと並んで満足げ!? 本人X(旧Twitter)より

ヤシンさんはSNSに時折、自身が思ったことを漫画にして載せることがある。そのモチベーションやアイデアはどこから湧いてくるのだろうか?

「基本的には何か作品などを見て、“私だったらこうしたい”と思うことが多いです。例えば、『美女と野獣』みたいに、もともと化け物だったキャラクターが人間になる展開があったとして、“私だったら化け物のままのほうがいいな”と思ったら、そっちを描いてみるとか。

SNSに上げるときに、文章で“この展開より、こっちの展開のほうがいい”って書くと、トゲがあるように見えるじゃないですか。それよりも作品として出したほうが、トゲがなく見てもらえるようになってるかなと思って。議論したいわけじゃなくて、“これが好きなんだ”って伝えたいだけなので。自分の意見をうまいこと昇華したいっていう気持ちで思いつくことが多いです」

最後に今後やってみたいことを聞いてみると、「なったことのないものになりたい」という答えが返ってきた。それについて深く聞いてみる。

「グッズ化はご縁があって、いろいろしてもらってるんですけど、フィギュアとか、ソフビとか、アニメっぽいグッズにあんまりなったことがないんです。そういうのに携わりたいなと思います。

あとは……着ぐるみとか。自分のキャラの着ぐるみと、何も知らないふりして握手したいですね。“かわいいー!”とか言いながら触りたいです(笑)。自分がその着ぐるみに入るのもいいですね。着ぐるみに入ってむちゃくちゃな動きもしてみたいです(笑)」


プロフィール
ヤシン
漫画家・イラストレーター。ニュースクランチで『この探偵、犬かもしれない』、COMICポルタで『うちのキャバリアは番犬にならない』を連載中。X(旧Twitter):@Y_ashi_n、pixiv:ヤシン/獣人マンガ連載中