アルテタ政権で復調の兆し

さて前回は、アーセナルとざっくりとしたプレミア勢力図の20年くらいを振り返ってきましたが、今日は後編。

BIG6と呼ばれる時代が到来し、リヴァプールやトッテナムがのし上がっていくなか、アーセナルは停滞していた時期を越え、新たな時代を迎えます。

ヴェンゲルの長期政権が終了し、新監督にエメリを招聘したアーセナル!! その初シーズンは5位、そして翌シーズンにはシーズン途中で解任されてしまいます。はい、好転しないのです。このシーズンの最終成績もベンゲルのワーストと同じく8位。もう、落ちるとこまで落ちたな、という感じ。

しかし、エメリ政権2年目のシーズン途中からチームを引き継いだのが、現在もチームを率いているアルテタ監督でした。そう、セスクがいなくなった11-12シーズンに移籍してきた、あの代表キャップもない30歳(当時)スペイン人です!

アルテタは、当時チームメートの宮市亮選手も「いずれ監督になるんだろうな」と確信を持つほどのリーダーシップと戦術眼を持っており、実際にヴェンゲル監督に「俺はピッチでやってみて、このやり方で守るのがいいと思うんだ」とリスペクトを持って発案し、実際にヴェンゲルに「それでいこう!」と言わしめたこともあるそう。

余談ですが日本ツアーの名古屋グランパス戦で、宮市選手にPKキッカーを任せたのもアルテタだそう。いい人!!!

そんなアルテタ。まだプレーできるだろうという段階で早々に引退すると、マンチェスター・シティのスタッフに。ペップ・グアルディオラの元で、そのサッカーを学んでいたところで、エマージェンシーな古巣から声がかかり、監督歴はないながらもアーセナルを託されました。

翌シーズンも8位と我慢の時が続き、アルテタも批判を受けたりしますが、ゆっくりと時間をかけてチームは上昇気流に乗っていきます。

監督経験のないアルテタはFAカップこそ獲得するものの、それはヴェンゲルも成し遂げていたこともあり、やはりサポーターの悲願はリーグ優勝という形。そんななかで迎えた3シーズン目である21-22シーズン!!

ついに金銭的にも安定してきて大型補強を敢行(とはいえ、目玉のウーデゴールはレアル・マドリードでは全然試合に絡めない感じだったので、特A級という感じではなかった。今は文句なしに特A級なので、チームにフィットするか含めて補強センスが素晴らしい)! また冨安健洋選手が加入したことで、僕含め多くの日本人の目にふれることになるシーズンです!!

多くのサポーターを魅了したシーズンですが、意外にも開幕3連敗と地獄みたいなスタートでございました。例によって、呪いみたいに怪我人が続出していたんですね。しかしこのシーズン、アーセナルはこの最悪から立て直します!!

スミス・ロウやブカヨ・サカのような下部組織出身者の成長、似たサッカーを指向するシティで放出候補になっていたジンチェンコやジェズスという効率の良い補強は、魅力的なサッカーを作り上げていきます!!

余談ですが、翌年に加入するサリバは、トッテナムのオファーを蹴ってきたので、特にサポーターの心を掴みました。