絵を描いている時は無心
――では、そろそろ最後にお伺いしたいのですが、落合さんが作品を描かれている時に、どんなことを考えて描かれているのか、どういう気持ちなのかという点をお伺いしたいのですが。
落合:僕は、結構無心で描いてることが多いです。

――そうですか、没頭している感じですか。
落合:そうですね。作業中、僕はめっちゃ静かか、めっちゃうるさくして描くかのどちらかなんですよ。
高野:そうなんですか?
落合:音楽も聞いて、テレビつけて、YouTube流して、色んな情報を取り込みながらやってて。
高野:えー! 耳傾けて、聞いているんですか??
落合:はい、聞いてはいて。でも、線の作業は聞かないことが多いですね。でも、塗りの作業は、ずっと塗らなくちゃいけないから、音楽聞いたりしてて。線は、こだわりがやばすぎて、1本の線を描く時、1秒で描けることもあれば、一週間くらいかかる時があるんですよ。その時は、“うわー!”みたいになって。
高野:消しゴムで消したりするんですか?
落合:消しゴムで消します。でも、筆圧が強いから、めっちゃ残っちゃうんですよ。一番嫌な作業が消す作業で、なんでさっき描いたばっかりなのに消してんだみたいな。それがすごい大変で。それが、しかも何百回もあるから。
――面白いですね。めんどくさいとかしんどいっていう気持ちになりながら描いているんですね。
落合:めっちゃそうですね。僕、宮崎駿さんが好きなんですけど、宮崎さんもめっちゃめんどくさいって言いながらやってるんですよ。あと、横尾忠則さんも好きなんですけど、みんなめんどくさいけど、大切だって言ってて、“わかります、先生!”って思いながらやってますね。
――もう投げ出したくなる時はないんですか?
落合:いや、それはないですね。自分の絵がめっちゃ好きなんですよ。だから、自分の絵の出来上がりを自分でも待ってるんですよ。終わらせないとちょっと満足できないしな、みたいな気持ちがあります。
――じゃぁ、描き上がった時の達成感はその都度ありますか?
落合:あります。でも、あんまり良くないのが出来上がっちゃうと。“マジか。勘弁してくれ”みたいな気持ちになります。
――納得できるものができるかどうかで、気持ちが結構変わるんですね。
落合:変わりますね。
――最高のものができたら、どんなテンションになるんですか?
落合:お寿司でも食べちゃおうっかな! みたいな(笑)。
高野:はははは(笑)。
落合:もうルンルンですね!色んな人に出来上がった作品の画像を送ったりして、見せたいです。
――作品ができたあと、次の作品のことも考えてるんですか?
落合:考えますね。次のやんなきゃな―みたいな。でも、絵を描いている人っていっぱいいるじゃないですか。僕、負けず嫌いなんですよ。だから、マジ負けたくなくて。結構描いてる部分の熱量は、怒りがめっちゃ多くて。絶対負けないぞみたいな。絶対負けないぞと思いすぎて。“(鉛筆の芯が)ボキボキ”って(笑)。
高野:スーパーサイヤ人ですね(笑)。怒りが原動力。
落合:ほんと、マジでクリリン死んじゃって…、みたいな(笑)。
高野:はははは(笑)。
――高野さんも絵を描かれる時に、ペンがボキボキ折れるみたいなことはないですか?
高野:はははは(笑)。でも、あんまり自分も口に出したことはなかったんですけど、ライブ中は、自分もすごい怒ってるので。自分に納得してない時が多かったりしますね。
落合:あー、めっちゃいい!
高野:なんか、あんまり言わないようにしてたんですけど、落合さんのお話を聞いて、すごいいいなと思いました。
――歌と絵は形は違いますけど、同じ表現ですしね。
落合:そうですよね。
高野:本当に刺激的でしたね。学ばせて頂くところがたくさんありました。
次回の『お訪ねアトリエ』は、2025年9月5日(金)更新予定です。お楽しみに!!

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