コロナショックをきっかけに大きく変わる働き方。テレワークをうまく活用して仕事で成果を上げるには? 外資系IT企業で20年以上前からテレワーカーとして実績をあげてきた片桐あい氏が、テレワークの基本から実践メソッドまでを教えます。

※本記事は、片桐あい:著『これからのテレワーク  新しい時代の働き方の教科書』(自由国民社:刊)より、一部抜粋編集したものです。

状況に合わせて最適なコミュニケーションツールを

テレワークで求められる大切な能力のひとつに「マルチコミュニケーション力=多様な人と多岐に渡るツールを使い分けながら、連携をすることができる力」があります。

コミュニケーションの対象としては、1対1の場合もあれば、1対多数の場合もあるでしょう。ビジネスシーンも様々です。報告・連絡・相談の場面、面談、会議、プレゼンテーション、商談、または雑談もあります。

また、コミュニケーションの目的も色々あります。情報共有、情報交換、情報収集、アイデア出し、意見をまとめる、合意形成、承認を得る、意志決定、評価、採用、関係構築など。

そして、コミュニケーションを図るためのツールとしては、「電話」「メール」「チャット」「オンライン会議システム」などのうちから、最適なツールを選んで使うことになるでしょう。

電話とメールは併用がオススメ

■電話

今までもこれからも、電話による音声での会話は有効です。耳からの情報を好む人もいるので、何かあればすぐに電話する人も一定数います。

便利ですが、相手の時間を奪うことになるため、最近ではメールとセットで使う方も増えています。メールを送っておいてから、電話して詳細を説明することを好む人もいます。

電話のいいところは、声の調子で相手の感情がわかることです。メールだと伝わらないような相手の温度もある程度わかるので、メールやチャットでニュアンスがわからないという場合には、電話を1本入れてみると相手の様子がわかります。

一方、デメリットは情報が流れてしまうため、「言った、言わない問題」が起きがちです。後からもめないように、話したことや合意したことは、後からでもメールで送る癖はつけておいたほうがいいでしょう。

▲電話とメールは併用がオススメ イメージ:PIXTA

■メール

メールは最近ではチャットに取って代わられそうな位置づけになってきましたが、オフィシャルな場面では、やはりメールを使ってコミュニケーションする場合も多いでしょう。

かしこまった挨拶や宛名の順番や肩書きなど細かいルールもあるため、最近はメールよりも気軽なチャットのほうが好まれる場合もあります。

ただ、振り分け機能やもらったメールをフォルダーに入れて管理するなど、もらった情報を管理することや、承認をもらった場合のエビデンスにもなるので、やはりお勧めではあります。

■チャット

チャットは気軽です。相手がオンラインかどうかもわかるため、「ちょっと聞きたい!」という場合にはとても便利です。

最近は色々な機能が実装されているので、ファイルを添付したり、スタンプなどで気持ちを表現したりすることもでき、本当に便利に使用できます。

ただし、会話が流れてしまうため、後から情報を二次的に使用したいと思ったときに加工することには手がかかります。

大勢との会話も可能なため、テーマがどんどん変わってしまうこともあります。タイミングによっては聞きたいことが聞けなくなり、意見の強い人に流されてしまう場合もあり、意志決定や合意形成には向きません。

あくまでも、気軽な情報のやり取りに向いているツールなので、スピード最優先のときに使うと非常に便利です。