「特殊な景品に変えてもらう」という夢がついに成就

で、僕はどうしたかというと…カウンターの横にあった、「液晶ゲーム付きキーホルダー」を2個、出玉と交換したのです

液晶といっても今みたいなフルカラー液晶とかじゃなくて、いわゆる「たまごっち」的なフォルムに「ゲームウォッチ」的なやつ、といえばわかるでしょうか。白黒の液晶で、ちっちゃいボタンがついていて、一応ちゃんと遊べる。「ぷよぷよ」もどきと「テトリス」もどきが遊べるやつを1個ずつ。カウンターのお姉さんは普通に交換して袋に入れて「ありがとうございました」と言ってくれました。当たり前ですね。いま自分で思い出しても、ちょっと可愛いと思っちゃうな、コレ。さすがに家に帰ってからだいぶ後悔しましたけどね(笑)。

こうなると次は「ちゃんと特殊な景品に変えてもらうぞ!」っていう、新たな目標が生まれたんですけどね。こうやって僕は一歩一歩、パチンコの遊技の流れを覚えていったのでした。

そんな感じで、打ちに行っては負け、打ちに行っては負け。当然そんなにお金があるわけではないのですが、ほんの少しお金ができるとホールに行く……みたいなことを繰り返していました。ダメ学生の極みですね。でも、羽根モノなら500円、1000円しかなくても、わりと夢は見れちゃうんですよねー。それも良いんだか悪いんだか、ですね。

『玉ちゃんファイト』だけじゃなくて、近所のお店にあったいろんな羽根モノを打ってみて。ゲーム性の違いに驚いたりして。少しずつ経験を積みながら、手当たり次第に打っていた感のある僕だったんですけどね。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たります。

……ついに、勝つんですよ。少しの投資でたくさんの玉が出たのです。「生まれて初めての勝利」は『ファインプレー』(マルホン)でした(ファインプレー、めっちゃ打ったなあ。こちらも羽根モノ界では言わずと知れた大ヒット機種ですが、「磁石が玉をくっつけて持ち上げる」という構造が生みだす玉の動きが滅茶苦茶楽しくて、僕もよく打ちました)。

ファインプレーのプレー動画[nobnob731さんのYouTubeより]

たまたま早い当たりから15Rに寄ってくれて、ひと箱がいっぱいになるくらい出たんですよ。「さすがにこれは交換してもいいだろう!!」って。3000玉くらいだったと思います。カウンターにレシートを持っていき、交換してもらって、それをさらに持っていって……という、次のステップをついに達成したんですね(笑)。細かいことは覚えてないんですけど、冬の寒い日、ちょっと雪がちらついていたのはなんとなく覚えています。財布の中身が7000円増えてたのも覚えてます。

雪が降る中での帰り道。しかも自転車です。普通なら勝ったとはいえ「今から帰るのかあ……」みたいな気分になるところだと思うんですけど、生まれて初めて、ついに「勝った!!」っていうことに、テンションが上がってしまってたんでしょうね。大声で『スーパー戦隊シリーズの主題歌』を歌いながら帰ったのを覚えています。ちなみに五星戦隊ダイレンジャーでした。よりによってなぜダイレンジャーだったのかは、20年以上経った今、未だに謎です。

『1億2000万分の1の激アツ人生』は次回7/5 (日)更新予定です、お楽しみに。