初打ちで感じ取った過疎店との釘の違い

前回のコラムでは、僕がホールへの初打ちに行き、過疎店で一瞬心が折れかけた、というところまでをお話ししました。折れかけた心を無理やり奮い立たせて、2軒めで羽根モノを発見した、というところまででしたね。

改めて自分のパチンコデビューを、ここで終わらせるわけにはいかない、と心に決めた僕は『玉ちゃんファイト』に着席することになります。もちろん、どれがいい台なのかなんか、わかるわけがない。とりあえず空き台に座りました。

玉ちゃんファイトは、とても有名でヒットした機種なので、ご存じの方も多いかと思います。大当りするとラウンド振り分けが行われますが、玉ちゃん図柄が止まった場合には、15ラウンドの出玉に加え、次回の大当りまで役物内の動きが変わって、次のV入賞が容易になる、という「連チャン性」を持った台です。

また、玉ちゃん図柄以外が停止した場合には、出玉のラウンドが1or2ラウンドしかないため、出玉は少なめになります。いかに玉ちゃん図柄を連続で引けるか、というのがキモになる、羽根モノの中でも比較的「波が荒い」部類の台でした(改めて調べたら賞球数も6&11とかでした。羽根モノで6&11だと「玉多いな!!」って思っちゃうよね、今だと)。

〇玉ちゃんファイトのプレー動画[VersusさんのYouTubeより]

当然さっきの店で打った『スーパージョーンズDX』とは、役物の構成も、ゲーム性もぜんぜん違うわけなんですが。この時の僕は、そんなことも知らず「羽根モノだ!」っていうだけで座っちゃってんだよな、コレが。何がどう違うかがしっかりわかるようになるのは、もう少し経験値を積んでから、でした。

今なら「羽根モノの新台が出たよ!」ってなったら、まずはゲージ構成を舐めるように見たり、役物の構造をじっくり観察したりして「役物がどうなって」「どんな風に玉が動いて」「どう入賞するんだろう」みたいな想像をしてから打つんだけど。だがしかし、あの日の俺は本当に本当のパチンコ1日目のヒヨッコです。

「これが羽根モノってやつだ!!」としか思ってない。「ファミコン」ってだけでRPGもSTGも一括りにするオカン、みたいな感覚とでもいうのかな(笑)。

500円玉分の貸し出しをする。玉を打ち始める。ここまでは1店舗目と同じです。

「いちについて、よーい(ピーっ)」

おっさんパチンカーならば説明不要でしょうね。チャッカーに入賞すると、昔ならではのビットレートの低いボイスと共に羽根が開きます。

「おお、開いた」

タイミングが合わず、球は残念ながら羽根には拾われませんでした。僕は「こんな一瞬の間に玉が入ることなんかあるのかな?」と思いつつも、打ち続けます。

「いちについて、よーい(ピーっ)」

「いちについて、よーい(ピーっ)」

「いちについて、よーい(ピーっ)」

明らかに、さっきいた過疎店よりは「1」に入っている気がする。同じ金額を打っているのならば、どう考えても、たくさん「1」に入って、たくさん羽根が開いたほうが、チャンスがあるに決まっている。「さっきの台よりは良い台なのだろう」って。やっぱ、お客さんが入っている店っていうのは違うんだなって、当時の僕はなんとなく思った……かどうかは定かではありませんが。

(完全に余談ですが、羽根モノなんて同じ機種でも、台の役物の“クセ”や“ネカセ”なんかで、入賞率が著しく変わったりしますね。一概に「とにかくたくさん鳴く台がよい、とは言えないっていうのも奥が深いよね」と、パチンコ歴22年にもなると思ったりします。)