作家、ライター、デザイナー、編集者…出版業に携わる人って、もともと自宅で仕事する(≒テレワーク)人が多いのでは? そんなきっかけで生まれたのがこの企画。テレワークの達人たちに仕事術を聞いちゃいましょう! 今回は編集プロダクション・清談社でライターをつとめる押尾ダンさん。

とにかく締め切り。体からのメッセージには従う

ーーまず自己紹介からお願いできますか?

押尾 55歳のライター・編集者です。清談社という社員20名弱の編集プロダクションに所属しています。事務所内にはダン、シャア、カブという名の3匹の猫がいて、社員のデスクの上で寝たり、ZOOM会議に飛び入りで参加したりしています。みんな保護猫です。

▲清談社のオフィスには3匹の猫がいます

押尾 この仕事を始めて25年ぐらいでしょうか。エロ本出版社に始まり、ジャーナリズム系の月刊誌記者、フリーライターを経て、清談社に参加しました。押尾ダンはペンネームはです。もちろん「ダン」は事務所の猫の名前から取りました。

清談社の業務内容は編プロらしく、書籍、雑誌、ムック本、ウェブコンテンツ制作と、なんでもやる感じです。映像班もあり、企業のPR動画やCS番組、DVD制作などを行っています。僕も依頼があれば動画にもかかわったりします。

ーー1日の作業時間はどれくらいですか?

押尾 自粛期間中はごく一般的で、8~9時間ぐらいです。書籍の執筆作業が大詰めのときなどは、30時間ぐらいぶっ続けで作業して、5~6時間ほど仮眠をとるサイクルを2週間ぐらい繰り返します。

制作を協力してもらった『ラグビーは3つのルールで熱狂できる』(小社刊)

ーー30時間……全然一般的じゃないです(笑)。締め切り前はやはり忙しそうですね。1日のタイムテーブルは決まっていますか?

押尾 締め切り日の作業は時間に関係なく、納品が区切りです。締め切りが逼迫していない場合はとくに決めていません。だいたい集中力が切れたり空腹に耐えかねたりしたときですね。オンオフを切り替える習慣はあまりないです。昔は作業が終わるまで食事をしないとか寝ないとか決めてやっていましたが、僕の場合、それだと効率が悪いということに気づきました。いまは空腹や睡眠不足で集中力が切れ始めたら簡単な食事でエネルギー補給し、30分でもいいのでとりあえず寝ます。