リハーサルの段階で予見できた彼女たちの新しい姿

焦っても仕方ないことはわかっていても、アイドルとしてちょっと特別な意味を持つ「高校3年生の夏」がライブのひとつもやれずに通り過ぎていったら、たしかにやりきれないものがある。

そんな中で流れが大きく変わった。6月25日に、ももクロの無観客ライブの配信中にゲリラライブを敢行したことで、アメフラっシの注目度がイッキに急上昇した。わかりやすかったことに、この連載へのアクセス数も爆発的に伸びたのである。

生配信直後に絶賛の声が飛び交うのはまだわかるが、しばらく経ってからスタートした追っかけ配信を見た人たちからの「アメフラっシ、すごいな!」という再評価の声が時間差でやってきたのは驚いた。

たった1回の、しかも20分間だけのライブで、こんなにも周りの見る目は変わるのだ。このチャンスをモノにできなかったら、また「一歩下がる」ことになりかねない。ある意味、7月18日の配信ライブはアメフラっシにとって、2020年最大の勝負どころでもあったのだ。

そして迎えたライブ当日。僕はリハーサルから取材させていただけることになった。もう、リハの時点から「ハッ!」としまくりである。

前回のゲリラライブでは感染予防の観点から、ライブ中もマスクを着用することが義務づけられ、目だけですべてを表現しなければいけない、という厳しい縛りがあった。それが今回からはマスクなしでのパフォーマンスが解禁されたのだ。

一度、マスクをつけたまま歌い、踊る姿を見てしまっているから、ノーマスクでステージに立っているだけですでに新鮮! いささか語弊があるかもしれないが「やっぱりアイドルは顔だよな」と再認識させられた(やはり感情が伝わるのだ)。