「おばあちゃんを一人の女として見ることが大事」

田端 ツイッターに「おばあちゃんを一人の女として見ることが大事だ」って書いてありましたね。

りん レクリエーションの時間に、爪にマニキュアを塗ってあげると、すごく喜びます。やっぱり女性なんで。あと、半分くらいネタなんですけど「あなたが隣に寝てくれないと眠れない」っていうおばあちゃんがいて、どうしようと思ったんですけど、ぱっと見たらもう寝てたとか(笑)。

田端 りんたろー。さんのコメントで印象的だったのは「親を自宅で看るのも、施設に入れるのも、どっちも愛だ」と話してましたよね。在宅介護か施設入所かというのは、ぼくの連載でもテーマになっていて、反響が大きいところなんです。

りん それはホント思います。今の世の中、親を施設に入れると「面倒を押し付けて、お金で解決して」みたいに言われる風潮もあると思うんですけど。大切な親に健やかに過ごしてもらうためだったり、自分が親を嫌いにならないように好きでいるために、分担して支えるってことですよね。愛があるからこそ施設にあずけるんで。

田端 でも、親と仲のいい息子や娘ばかりじゃない現実もありますよね。うちは父親が認知症だったので施設にお願いして、母親は身体の病気だったので在宅介護したんです。あとになって振り返ると、自分は父親と仲が良くなかったから、あっさり施設に入れてしまったんじゃないかと反省したり……。

りん じゃあ、ほったらかしにしたのかって、そうじゃないですよね。仲良くなかったかもしれないけど、施設を用意することがすでに愛だと思う。

田端 そう言ってもらえると救われます。施設か家かでいうと、最近は風潮が変わってきているのも感じるんです。昔は親を施設に入れると親不孝者呼ばわりされたけど、今は施設に入れたって書くと「そう、それが正解だよね」と賛同される。逆に、在宅介護を選びましたって書くと「そんなの一部の人しか無理」とか「大事な仕事をしてないからできるんだ」と反発が飛んでくる。これには驚きました。 

りん そうなんですか。仕事ができる状況かどうかはみんな違うだろうし、難しいですね。お仕事はどうされたんですか。

田端 ライターという職業は自宅でもできるので、仕事は2割か3割残して、介護の間も細々と続けていました。

りん ぼくも同じかどうかわからないですけど、家でネタを書いたりするんで、お年寄りと話をするのがいい感じにバランス取れていた気がします。