雑誌の特集で「イタめし」ブームが到来!

日 髙 それと僕は、カルボナーラがすごく好きだったんですよ(笑)。イタリア料理店でアルバイトして、賄いで毎日カルボナーラ食べさせてもらっていた。そのうち、毎日食べて飽きないものの方が、高いレベルのものを追いかけるよりもいいんじゃないかなっていう風に思ったんです。そこでムッシュ上柿元に相談して、東京のお店を紹介していただき『リストランテ・ハナダ』でイタリア料理を始めました。

Ropia 歴史あり、ですね。修行時代からいろいろなことがあって、お店をオープンされたと思うんですけど、時代背景やストーリーっていうものはありますか?

日 髙 ちょうどアクアパッツァがオープンしたのが1990年で『hanako』っていう雑誌で、ティラミスブームが始まったの1989年だったんです。

Ropia あ~! ありましたね!

日 髙 それと、1990年には『dancyu』っていう雑誌が創刊されて、ある号の特集タイトルが「イタめし天国」っていう。

Ropia あ~、それはブームが来そうですね。

日 髙 うん。イタリア料理をイタめしって呼んだ最初ですよね。すごいカジュアルになってイタリア料理ブームになったんですよ。あっという間に、都内どころか日本中イタリア料理店だらけ。うちがオープンしたときは、まだそんななかったんだけどね。昨日まで地中海料理って言っていたところが、急にイタリア料理の看板だしていたりとかね(笑)。

Ropia (笑)。すごい勢いだったんですね。

日 髙 そうですね。

Ropia 僕まだその時は小さかったんですが、なんかもうお姉さんたちが「ティラミス、ティラミス」って騒いでいるっていうイメージが強いですね。『アクアパッツァ』の日髙良実シェフといったら、もう日本トップレベルのシェフなので、きっとフランス料理をやっていても同じようにトップレベルのシェフでいらしたんだとは思います。けれど、僕も一応イタリアンの料理人ですので、イタリアンのシェフでいてくださってよかったなぁって、個人的には思います。

>>> 第2回に続く

〇『イタリア料理界の巨匠 日髙良実シェフ【対談動画】 アクアパッツァ』

※本記事は、YouTube『Chef Ropiaチャンネル』でアップされた動画『イタリア料理界の巨匠 日髙良実シェフ【対談動画】 アクアパッツァ』を再編集したものです。