断言! カレールーはおつまみです
レトルトカレーが売ってることに気がつきました。ライスも注文できるようですが、「アタマ」だけで飲むのが私は好きなんです。ちなみにこちらのつまみは、注文すると、レンジで温めてくれます。そんな小さな気遣いがうれしいですよね。お金を払って席に戻り、しばらくすると「できたよ」の声。お皿に入ったカレールーからは食欲をそそるいい香り。カレーはごはんにも酒にも合うってことをみなさんにお伝えしたい。
カレーはクセというか主張が強いけど、意外とどんな酒にもあう。ビールはもちろん、甘い日本酒にあわせたって悪くないでしょう。そして、カレーをつまみに酒を飲むようになると、酒飲みの階段を一気に駆け上がった気がします。いや、蒲田行進曲よろしく大階段から滑り落ちているのか。まあいいや。とにかく、目の前にある食べものが酒のつまみにしか見えなくなったら、酒飲みとして次のステージに進んだと言っていいでしょう。痛風の扉もすぐそこに見えてきたんじゃないかしら。
160円でこれだけ満足度を与えてくれるつまみが、かつてあったでしょうか。小麦粉だから腹も膨れるのはご愛敬。スプーンでカレーを口に運んだら、すかさずホッピーをゴクリ。中辛というどっちつかずの立場でいてくれるおけがで、酒によくあう。カレー、ホッピー。カレー、ホッピー。あっという間に、お皿はからに。
3代目に話を聞くと、昔と比べてお客さんもすっかり変わったって。昔は労働者の方ばかりで、店内では競馬中継を流していたけど、今は若い女性が一人で訪れることもあるそうです。店も街もそうやって姿を変えていくけど、この店の温もりは昔から変わらないような気がしました。
私が思ういい立ち飲み屋の条件って、一人でいても寂しくないことだと思うんです。誰かに話しかけて欲しいわけじゃない。店に一人でぽつねんと飲んでいるときに、テレビなんか眺めながら、ひたすらぼうっとできることが私はうれしい。
横にいた年配の常連さんらしき御仁は、黙々と酒を飲んで、おかみさんに軽口をいくつか叩いて、すっと帰って行った。その光景を見たとき、この常連さんにも明日は訪れるんだよなと、当たり前のことを思ったわけです。毎日が永遠に続くから、息をするようにこの店を訪れ、酒と惣菜をお腹におさめたら店をあとにする。あの方はきっと明日も福来屋を訪れることでしょう。その何気ない日常が私は愛しく思えたんです。
労働者の街、川崎でずっと愛されてきた店の、やさしい空気を感じたところで、さて次はどの店に行こうかしら。ふらりふらりと次の街へ。
『立ち飲み・マイ・ラブ♡ - 痛みに負けるな!-』は次回9/25(金)更新予定です、お楽しみに。
■福来屋酒店
住所:神奈川県川崎市川崎区日進町18-2 RAMSESMER 1F
電話:044-233-0300
営業時間:8:00~18:30
定休日:木曜日
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店前にご確認ください。