トイレットペーパー買い占め騒動は世界共通

日本をはじめ、世界中で起こったトイレットペーパー買い占め騒動。

これまではインターネットで、他国の人々が必死になってトイレットペーパーを買い占めている様子を、おもしろおかしく見ていたが、ある日突然、エストニアのスーパーからもトイレットペーパーが姿を消した。

よく見るとトイレットペーパーのみならず、日用品や食料品を大量に買い込む人々が増え、スーパーの商品棚はガラガラになってしまった。

▲買い占め騒動によりガラガラになった卵売り場

後日ニュースで、エストニア国内には輸出するほど大量の食料が確保されている、とアナウンスされた。とあるスーパーは、顧客へ毎日どれほどの食料や日用品が納品されているかを説明し、食料が底をつくことはない! と書かれたメールを配信すると、ピタッと買い占め騒動がおさまった。

エストニア人の素直さを垣間見たひと時であった。

ショッピングモールが閉鎖し街から人々の姿が消えた

2020年3月下旬から、スーパーと薬局を除き、ショッピングモールは閉鎖された。感染拡大防止のために自主休業をする飲食店や小売店が増え、営業を続けるお店の方が目立つようになった。

▲同じ建物内のスーパーへ向かう途中にある、閉鎖中で人のいないショッピングモール

この頃には街を歩く人々が激減し、ほとんどの人がPüsikodus(エストニア語でStay at home)していた。

そんな人々をよそ目に、自宅療養している感染者やエストニアへ入国後に自主隔離をしている住人が、こっそり外出していることが発覚し、警察が自宅を訪ねたり、電話をして家にいるかを確認する事態に。

街では警察がこまめにパトロールをし、“2+2”ルールを守らない人々に注意を促してきたが、ルールに従わない者に対して€100(約¥12000)からの罰金を課す規則ができた。

それでも全体的に見ると、エストニア人はきちんと規則に従い、他者との接触を最小限に留めようとしていた。ネットスーパーや通販の利用も増え、配達員の仕事量はクリスマス越えだったそうだ。

新型コロナウイルスの蔓延により、エストニアでも失業者が増加している。特に観光業は国境が封鎖されて以来、大打撃を受けており、その事態は深刻だ。

緊急事態宣言下にて、感染拡大防止のため自主休業をした企業の従業員に対し、政府は賃金の70%を最大2ヶ月支給した。失職者に対しては通常の失業保険を適用、店舗(企業)への特別な補償は無く、家賃の支払い等への融資を受けやすくした程度だった。

5月からショッピングモールの営業が再開されると、空き店舗が目立ち、新型コロナウイルスがどれほど多くの企業に影響を与えたかを身に染みて感じたのであった。