2人は“信頼して”合計4,300万円を渡した
その後も付き合いは続いた。拝みに行ったあとは、カフェやファミリーレストランに寄り、食事やお茶をすることもあった。そのような付き合いのなかで、E子さんは金島雪子への信頼をますます深めていった。
そんなある日、金島はTさんたち3人と、S子さん、E子さんを自宅に集め「新しい会社を立ち上げた。毎月お金が増えるようになる」という説明を行った。
その場では説明だけで終わったが、解散したあとにE子さんは金島(夫)からの電話を受ける。「親しくしているE子さんだけに特別に良い利息がつく。毎月60万円が入ってくるから1200万円を預けて欲しい。このことは他の誰にも言わないで欲しい。内緒の話である」
すでにすっかり金島夫妻を信じていたE子さんは、ゆうちょ銀行の定期預金を解約し、1200万円をバッグに入れて金島の自宅へ行き、そのお金を預けてしまった。
すっかり金島夫妻を信じているE子さんに味をしめたのだろう。被告の4人は、E子さんにさらに「1500万円を預けて欲しい」と伝えた。
E子さんはこのお金を振り込むとき、郵便局の職員から「これは詐欺だからおろせない。振り込むこともできない」と止められている。すぐに警察官も駆けつけた。
しかし、金島夫妻から「お金を振り込むときには、誰にも言わないように」と再三釘を刺されていたこともあり「詐欺ではないから大丈夫」と言い張った。結局、その日は下ろすことも、振り込むこともできずに帰宅したのだが、金島夫妻はその話を聞いても、やはり「お金を作ってください」と、再度、お金を持ってくるように促した。
最終的に別の郵便局から、指定された口座へ振り込んでしまい、E子さんはわずか1年足らずの間に計3,300万円、S子さんは1,000万円を失ってしまったのである。