2022年、今年初の深海釣りは初挑戦のアコウダイ

寒い時期の深海の赤い魚はおいしいので、高級魚のアコウダイを釣りに行くことにしました。アコウダイは体長50~60㎝くらい、別名メヌケとも呼ばれている、煮ても焼いても鍋でもおいしいお魚。キンメダイと同じ水深500m~700mにいる深海魚と聞き、それなら特別な準備はいらないしなと思い、キンメダイと同じ仕掛けを準備したんです。

今回の場所は、千葉県大原の九十九里の沖。寒い時期の魚はおいしいが、寒いにもほどがある厳しい寒さの日にあたってしまった。この日は深海釣りの経験値がないと難しいと言われている、念願のかけあがり(だんだん水深が浅くなっていく)のポイントへ行くと聞いていた。水深は650mからどんどんかけあがっていく。

このあがっていく様子に細かく反応していかないと、岩礁に仕掛けやかかった魚がひっかかってしまうので、違和感があったらすぐに底を切ってあげていけ、と船長よりアドバイスをいただきました。

オモリは鉄筋棒2キロ、針数は10本で。海は潮がやや速く、仕掛けやオモリの様子がイメージしづらく、アタリなのか根にひっかかっているのかわからない。でも失敗のほうが怖いから、ひっかかったことを想定してあげるしかない。

海底650mの様子をイメージして、妄想して、自分なりの判断で2~3mあげてみたり、5mあげてみたり。結局、全8投して釣れたのはいいサイズのキンメが6本。狙っていたアコウダイはボウズに終わった……。

▲本命は逃したけど、キンメが釣れてホクホク。赤い魚はテンションが上がる

外道がキンメって、豪華過ぎてとてもうれしいんだけど、狙っていた初のアコウダイは釣れなかったのは事実。同じ船ではきっちり釣っていた方もいらっしゃった。

聞けば、キンメとアコウダイでは針の大きさが違うらしく、アコウダイは口が大きいので大きな針じゃないとかからないそう。水深が同じで、同じくらいのサイズの魚だからといってキンメの仕掛けでは釣れない……ということを学びました。

今回は完全に私の準備不足。悔しいけど完敗。リベンジ案件。でも、キンメが釣れたからご機嫌です!

釣り人の料理は常に定番

キンメは帰ってからのお楽しみ感がハンパない。今回も塩焼き、お刺身、お刺身の皮目の炙りに。頭は何匹も煮つけにしましたが、一番脂が出てきておいしかったなぁ。そのほかは喜んでくれる友達にあげました。

▲頭は煮つけに。身も美味しいけど、頭も美味しいのです

毎度代り映えのしないメニューだけど、同じ食べ方をすることで、その魚のおいしさを感じられるなと思っていて。エサとして食べているものや海の様子で、こんなにも肉質(味)が違うんだなと、新たな発見があるのも楽しさのひとつです。

▲アラ汁のアラの比率がとんでもなく贅沢にできるのも釣り人の特権

深海釣りは頻繁に行く釣りではないけれど、決して行くことができない深海世界とのコンタクトだから、特別なロマンがあって毎回ワクワクが止まりません。海底から水面まで上がってくるまで何があがってくるかわからない楽しさや、釣りの最中、海底やその道中の違和感ごとに自分の判断を問われるところも楽しい。次回は準備万端でアコウダイ釣りに挑み、必ず釣ります!


プロフィール
 
吉野 七宝実(よしの・しほみ)
1991年3月5日生まれ。千葉県出身。競輪専門チャンネル『SPEED』のキャンペーンユニット『スピーチーズ』のメンバーとして活動。その後、西口プロレスのラウンドガールユニット『西口向上委員会』のメンバー、AbemaTV『ピーチちゃんねる』のレギュラーレポーターを務めた。現在はグラビア活動のほかに釣り具ブランド『HUNT』のプロデュースなど活動は多岐にわたる。1年かけて自撮りした干物グラビアで構成した2022年版のカレンダー『IPPON釣りcalendar』も好評発売中。Twitter:@Shihomi0305、Instagram:@shihomi0305