充実の小鉢でお酒がススム！【新井薬師・マリモ】駅から徒歩５秒の極楽喫茶で乾杯

実家のような心地よさに思わず長居

▲見てくださいこの大きさを

カキフライも素晴らしかった。牡蠣の水分で衣が少しふんわりしているタイプでね、それにソースをたっぷりかけていただく。大きめのフライを選んでガブリ。噛み締めると口の中で牡蠣とソースと衣の旨さが一体になって、幸せの特急電車となって駆け抜けていくのです。ああ、これは幸せへの急行運転だ。ビールもいいけど、レモンサワーと相互乗り入れしてもいいかもしれない。まずい、お酒が止まらない。

▲300円のおつけものセットを追加でオーダー

ビールからレモンサワーにお酒をチェンジしたら、自分の心が完全にリラックスモードに切り替わったのがわかりました。知らない町の、なじみのない喫茶店だけど、小さな店内ではテレビから野球中継が流れていて、居間で寛いでいるような気持ちになってくる。

厨房では、お店を切り盛りするお母さんとお手伝いの娘さんが、今日あった出来事をお客さんと同じくらいのボリュームで話している。ほぼ実家ですね。私は料理と酒を楽しみながら、テレビの野球中継に目をやってボーっとする。なんて幸せな時間なんでしょう。

▲隣で飲んでいた男性も私と同じものを頼んでた

店内には私と同じような男性客がいて、ひとり晩酌でしょうか。おいしそうにごはんとお酒を楽しんでいます。

この店には過度なサービスや接客があるわけではない。でも、ひとりで過ごしていても寂しさをまったく感じない。「東京は冷たい」なんていいますけど、こうやってそっと放置してくれるのが、この町の見せる優しさだと思うんです。

▲ママと娘さん

気がついたら１時間近くいたのかしら。常連さんらしきおじさんがご飯を食べて、ママと娘さんと会話をして、ささっと帰っていった。スーツ姿のサラリーマンは、私と同じようにテレビの中継を眺めてる。きっと帰りたくないんだろうな。家がイヤなわけではなくて、この場所が居心地良すぎるからだ。よくわかる。だから私はさらに飲んでしまう。誰が悪いわけではない。強いて言えば、酒に対して脇が甘い私が悪い。ということで、もう一杯。

こんな素敵な店が近くにある人が羨ましい。一人暮らしをするなら、西武線の小さな駅がいい。それも急行が止まらない新井薬師がいいと思った夜でした。喫茶店めぐりの旅はまだまだ続きます。

『黄昏時に今日も一杯　気まぐれ喫茶メシ』は次回5/13(金)更新予定です。お楽しみに!!