同期の霜降り明星の活躍が刺激になった
――ネタを磨くためのツアーとのことですけど、漫才もコントもやられるんですか?
西野 漫才の割合が多くなるとは思うんですけど、たまにネタ番組でコントをやらせてもらうこともあるんで、コントも作りたいなと。10周年なのでゲストも呼べたらいいなとも思ってますし、盛りだくさんになるはずなので、遠くまで見に来る価値はあると思います。
――数年前から漫才に力を入れている印象ですが、今、『M-1』に挑戦されているんですよね。
西野 そうなんです。僕はどちらかというと苦手なことをしたくない性格で、もともとは漫才に苦手意識があって、やりたくないなと思ってたんです。けど、1~2年くらいかけてナダルさんが『頑張ってみぃひん?』って説得してくれて。コンビ結成15年までっていう制限もあるし、残り6年くらいは頑張ってみようと二人で話し合って、そこから完全に漫才のスイッチを入れました。
あと、同期の霜降り明星の躍進もデカかった。僕らはお互い結婚して子どもが生まれたし、YouTubeやオンラインサロンなど、いろいろな挑戦もしてたんですけど、芸人になった以上、軸はネタなのかなっていう気持ちもあって、挑戦することになったんです
ナダル 僕はずっと挑戦したいなと思ってたんですけど、西野はずっと、もうええんちゃうって言うてて。僕らは(『キングオブコント』で)優勝したのが早かったこともあって武器が少なかったというか、芸能界に残るほどの実力を持ってなかったので、優勝から1年後にちゃんと仕事が減っていったんですよ。けど、霜降りは1年経っても仕事が増えてったのを見て、西野もやろうとなったというか
西野 そこはナダルさんに感謝してます。やろうって言ってくれたから、今、漫才を頑張れているし、『キングオブコント』と『M-1』の二冠ってまだいないので、そこを目標に置けてるのもありがたいんですけど、よしやろうってなった次の日、ナダルさんがネタ合わせ中に寝てて、おや? って
ナダル (顔をしかめて)いちいち言わんでええやん! 疲れてるねん。1年間、寝る間も惜しんで西野を説得したから!
西野 寝る間も惜しんで、ではないやろ。ぐっすり寝てたやん(笑)
――(笑)。ナダルさん、そもそも漫才への憧れは強かったんですか?
ナダル もともとめっちゃ好きで、前のコンビでやったんですけどウケなくて。芸人を辞めるか辞めへんかっていうときに西野が声をかけてくれて、僕ら二人ではコントのほうがウケたんです。もちろん、それもうれしかったんですけど、漫才に対しての憧れはずっとありましたね。
で、『M-1』に挑戦するということは優勝を目指してやるわけで、頑張ってるとネタのクオリティーも自然と上がっていくじゃないですか。目標に向かって漫才を作れるのは今だけやし、のびしろのある時期にだらだら過ごすのは嫌で……って、めっちゃ真面目なことを言いましたけど、もっとできるかもしれんのに漫才やらんのはもったいないって、ずっと思ってたので挑戦できてよかったです。
西野 確かにやり出したら、発見しかなくて楽しいですね。昨年の『M-1』は3回戦で負けちゃったんですけど、気づきもあって。ファンの方々も応援してくれるんですけど、応援してくれる人が増えれば増えるほど『M-1』の決勝に行きたいな、皆さんの期待に応えたいって年々思うようになりました。
ナダル やっぱりね……こいつがおるからふざけられる、というか。
西野 それ、自分の本(注:『いい人でいる必要なんてない』)の冒頭に書いてた“西野が隣にいるから全力でふざけられる”をちょっと変えただけやん!
ナダル (笑)。西野は『キングオブコント』で優勝できるネタを作れる人ですから、(漫才も)ちゃんと向き合ったら、いいネタができるんちゃうかなって。