2018年に「2019ミス・ティーン・ジャパン」のグランプリを受賞以降、さまざまなドラマやCMに出演している、俳優の宮部のぞみ。このたび公開された、初の映画出演となる実話をもとにした話題作『20歳のソウル』でも存在感を発揮しています。
一度見ると強く印象に残る存在感を放つ彼女は、今年の4月から大学生になった19歳。お芝居やモデルとしての印象とはまた違った、初々しさの残る彼女に芸能界に入ったきっかけや、映画『20歳のソウル』の話、今後やってみたいことなどを伺いました!
吹奏楽部の経験が映画に活きた
――『20歳のソウル』拝見しまして、映画初出演とは思えないほど、堂々とした演技でびっくりしました、素晴らしかったです。
宮部のぞみ(以下、宮部) 本当ですか!? ありがとうございます。
――まず、芸能界を志したきっかけについて教えてください。
宮部 いちばん最初は5歳のとき、自分でもなんでそう言ったのかわからないんですけど、母が見ていたファッション雑誌のモデルさんを見て「モデルさんになりたい!」って言ったらしいです。
――すごい! アイドルや俳優、とかではなく、モデルさん! と限定しているところに大器の片鱗が見えますね。
宮部 たしかに(笑)。それから、ちょっと恥ずかしいんですけど、誰もいないのを確認してから、鏡の前でポーズをとってみたり……。
――可愛い!(笑) そして、素晴らしい努力ですね!!
宮部 雑誌に載ってるお洋服を、両親におねだりしたりして、自分なりに憧れのモデルを目指してましたね(笑)。
――その頃の憧れの方はどなただったんですか?
宮部 小松菜奈さんです。今でもとても尊敬していますし、目標です。なんとか近づきたいなと思ってます。
――でも、いちばん最初に思ったのは、宮部さん、とても立ち姿がおきれいですよね。もしかして、幼少期に鏡の前でポーズをしていたのが生きているのかも……。
宮部 ありがとうございます! だと良いんですけどね(笑)、まだまだです。
――高校で東京に出てこられたんですよね?
宮部 はい、中学3年生のときに、ミス・ティーン・ジャパンでグランプリを頂くことができたんですが、卒業して、高校に入るタイミングで上京してきました。
――今年、高校を卒業されて新しい生活が始まってると思いますが、いかがですか?
宮部 4月から大学に通っているんですが、もう少し自由な時間ができるんじゃないかって思ってたんですけど、高校の頃より時間がないですね(笑)。大学の授業って1コマが90分ですよね。今日は4時間授業って聞いて“やったー、早く帰れる”って思ったら、終わるの夕方で“あ、高校と違うんだった……”みたいな。家に帰ってからも課題があるので“あれ? 前より忙しいな?”って感じです(笑)。
――でも、きちんと課題を人任せにしないのが偉いですね。そもそも、高校から親元を離れて東京に来る、というのが普通の人だと心細くて耐えられないような気がします。
宮部 そのときはまだ15歳とかだったから、あまり深く重く考えないで、東京に出てくることができたと思います。上京、高校入学、そして仕事と、いろいろなことがガラッと変わるタイミングで、慣れないことも多く、日々慌しかったので、寂しさがまぎれたというか。でも、ふとしたときに寂しくなることはもちろんありました。クラスメイトが、お母さんの作ったお弁当を持ってきてたりすると、“うらやましいなあ”みたいな。
――うわー、それは切ないですね……。
宮部 でも、心が折れそうになったら母に連絡したり、テレビ通話したり。あと、寂しくなったら、東京に憧れていた頃の自分を思い出して、行きたかった場所に行ってみたり、可愛いお洋服をウインドウショッピングしたりしました。だから、上京して心細い人がいるとしたら「いずれ慣れるから」って言ってあげたいですね。
――今回出演された『20歳のソウル』を拝見させていただきました。宮部さんの初々しさと、ついこの前まで同じ年代だったからこそ出せるリアリティ、役柄へ自身の投影の仕方などが非常に素晴らしいなと思いました。
宮部 ありがとうございます! すごく大切な作品になったと思っています。
――お仕事が決まったときはどうでしたか?
宮部 正直、決まったときはまだ全然実感がなくて、映画っていうのは映画館で見るものであって、自分が大きなスクリーンに映ってる、というのが想像できないまま、撮影が始まっちゃった感じですね。これまでいただいた役のなかで、いちばん台詞も多いし、撮影の前日は眠れませんでした……。
――監督さんからは「演技をしなくていいよ、自然な感じで」と声をかけられた、とおっしゃってましたが、気が楽になったんじゃないですか?
宮部 そうですね! その言葉でだいぶ緊張がほぐれました。
――宮部さん自身が吹奏楽をやられていたというのも、『20歳のソウル』という映画に出演されるにあたって大きな意味合いを持っていると思いますが、それが生きたな、と思うところはありましたか?
宮部 生きたかどうかはわからないんですけど、合奏のシーンとかは、私も吹奏楽をやっていた頃を思い出しながら参加できたので、緊張せずに演じることができました。
――なるほど。たしかにそう考えると、かなりリアリティのある役柄ですよね。
宮部 思春期って、やっぱりうまく表現できないモヤモヤが、自分の中に溜まっているものだと思うし、実際に部活をやっていた頃も、コンクール前はみんなピリピリしたり、少し揉めたりしたので、劇中でそういうシーンがあったときに、その空気感を経験できていたのは良かったと思います。
――宮部さんが演じられたミナという役は、みんなの前も臆せず大きな声で意見を言う子でしたけど、実際の宮部さんはどうでしたか?
宮部 ミナほど、自分の意見を主張するタイプではなかったかな、と思います。家では家族に甘えて主張していたような気がしますが……(笑)
――でも、自分にない部分をしっかりと演技で表現できるのがすごいなと思います。
宮部 何回も台本を読み込んで、練習して、自分なりに“ミナって子は、こういう子なんじゃないかな”というのを考えて役作りした感じですね。