いい時があれば悪い時もある…貴様らの人生と同じ

――ご愁傷様です。では続いて『WORLD TAG LEAGUE 2022』(以下、ワタリ)についてお聞かせください

 うむ。余は今年、ジェフ・コブとタッグチャンピオンになったが、そのまえにはイギリスでランページ・ブラウンと組んでいた。そしてワタリは、アーロン・ヘナーレと優勝するだろう。何が言いたいかって? タッグの面白さっていうのはな、パートナーが替わるだけで自由度も強さも上がるってことじゃ。ほら、あるだろ。「1+1は200、10倍だぞ、10倍!」ってセリフが。あれ、大島が言ったんだろ……って、おい、貴様! そこで「コジマだよってツッコむんだよ(大激怒)

――ご無礼をお許しください。たしかに名タッグ“テンコジ”の小島聡選手が残した名言です。オーカーン様のあまりの頭の回転の速さとカッコよさに見とれていました。

 かっこ余。まあ、いい。猛牛じゃなくて大島のほうが言ったんだけども、例えば、1+Aでも200になるし、AをBに替えても200、あるいはそれ以上になる可能性があるんじゃよ。「UNITED EMPIRE」のようにユニットのなかでは、いくらパートナーを替えてもいいんだし、その自由度の高さもタッグの良さだと思っておるよ。ヘナーレとはコブと違ったプロレスの魅力を見せられるじゃろうし、観客どもも「タッグって、こんな面白いんだ!」って気づくはずじゃ

――ただ、「タッグは固定すべき」というファンもいる

 ザ・ロードウォリアーズみたいに 「2人揃って最強」みたいなチームもあるよな。同じコスチュームでモヒカンと逆モヒカンというビジュアルもたしかに魅力あるよな。あと蝶野と武藤っていったっけ。あいつらみたいに我が(がが)が強い者同士、個人プレイヤー同士が組んでも華がある。だから、余はパートナーの固定は否定せぬ。だが、余は誰よりもタッグを大切にしているし、シングル至上主義にモノ申したい。それを証明するためにワタリは優勝する。貴様らは、そのオーカーン革命の目撃者となるがいい!

――タッグの魅力、伝わりました。では最後にこちらの本の魅力をお聞かせください。

 うむ。この本の魅力って本当に手のひら返しを楽しむことじゃ。上げて落として上げて落として。それを知ることによって、「あ、だからパワーボムってあんな威力あるんだ」みたいな。あとな、この本は貴様らの人生と同じじゃ。上がるばかりじゃない、落ちるばかりでもない。いいことばかりでもないし、悪いことばかりでもない。いい時もあれば悪い時もある。プロレスだって上がってばかりの選手、下がってばかりの選手は見ていてもつまらんじゃろう。嫌気がさしたら深呼吸しろ。いいことがあっても調子に乗るな。この本はな、貴様らの人生そのものじゃ。だから、この本を何回も読め。余がワタリを支配するそのまえに! ひれ伏せっ、愚民ども!

▲女性記者を恫喝…もとい、本の魅力についてアツく語るオーカーン様