10代から巨人のスターティングメンバーに名を連ね、日本代表の遊撃手として国際大会でも多大なる貢献をしてきた坂本勇人。しかし、昨シーズンは怪我などもあり、レギュラー定着後、打撃もワーストとなる結果に終わった。

3月7日から開催される2023 WORLD BASEBALL CLASSICの日本代表を辞退し、新シーズン復活を期す坂本についてみていこう。

キャリアワーストの成績で2023WBCは辞退

昨シーズンの坂本勇人は、キャリアで最多となる3度の離脱があった。

これまでのキャリアでは複数回の離脱はなかったものの、2015年からは怪我が増えていき、昨シーズンも東京五輪前に離脱。日本代表の構想にも影響が出た。

さらに、プレー中の怪我が多かった影響もあるのか、守備範囲も以前ほどの広さは感じられない。守備に関しては、疲労がない状態であれば動けているが、試合に出続けるとほとんど足が動かないことが懸念材料だ。

近年の衰えや怪我、昨シーズンの成績不振もあり、今春開催されるWBCの日本代表も辞退を表明した。

今回のWBCでも、2021年に開催された東京五輪のようにチームリーダーとして期待されていたが、辞退となった。2013年のWBCから2021年の東京五輪まで、日本の遊撃手として君臨していた坂本の不在は大きいはず。

しかし、日本代表を支えてきた坂本が辞退することは、今シーズンに賭ける気持ちがこれまでよりも非常に強いということだろう。

歴代最高遊撃手としての意地を見せられるか?

坂本自身、昨シーズンの複数回の怪我や故障にばかり目がいくが、シーズンMVPを受賞した2019年を境に成績自体も下降線をたどっている。

下記が坂本の打撃成績である。

この成績を見ても、新型コロナウイルスの影響によって調整が難しかった2020年を考慮しても、2021年も右手母指末節骨の骨折もあり、成績を落としている。

成績が落ちていることや、打撃面でキャリア最高のパフォーマンスを残していた2016年から2019年を比較しても、その頃のフォームではシーズンを戦い抜くことも難しいと感じているだろう。

打撃フォームに関しては、スタンスの広さも重要になっていく。沈みこむフォームは、2019年のようにトップクラスの長打力が見込めるが、下半身に多大な負担がかかるためトレードオフな部分が大きい。

仮に負担がかからないポジションでも、長いシーズンにおいてフィジカル面が耐えられないようであれば、なるべくスタンスを狭くして、結果を残せるようにモデルチェンジをすることが重要だ。

休み休み起用する前提で考えても、スタンスを狭くした2016年、2018年シーズンや2017年WBCのような打率や打点を稼ぐ打撃スタイルであれば、シーズンを通した活躍はまだ見込めるのではないだろうか。

シーズンを戦い抜くフォーム探しに関しては、このキャンプを含めて2021年から模索中なのが伺える。打撃に関しては、かつて40本塁打を記録した長打力はなくなるとしても、首位打者を獲得した確実性の高さが復活することに期待していきたい。

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