自身を見つめ直しモデルチェンジして復活するチャンス
かつて、自主トレで坂本の守備を鍛え上げた宮本慎也氏が、川上憲伸氏のYouTubeチャンネル『川上憲伸 カットボールチャンネル』に出演したときのこと。坂本に対し、昨年のシーズン前に「坂本は見直す時期が来た」とコメントを残した。
〇㊗️100万回【伝説回】最苛酷ポジション“ショートの限界”に迫る!名手宮本だけが気づいた愛弟子G坂本勇人への違和感
これは、2021年シーズン終盤の坂本のプレーを見て、スローイングの不安定さで異変を感じたようだ。2021年の坂本は、リーグ最高の守備率.991を記録し、5度目のゴールデングラブ賞を獲得。しかし、その頃から陰りが見えていたのだ。
昨シーズンは守備面でも苦しみ、失策数も11を記録。2020年、2021年の失策数が4だった名手は、自分でも明らかに異変を感じていただろう。
センターラインの柱として坂本の復活が急務である。WBCを辞退してシーズンを戦い抜く身体づくりをしているなかで、身体の動かし方を含めて改善できれば、まだまだ復活の余地はあるだろう。
遊撃手というポジションは、野球の花形でありながら非常に負担が大きいポジションでもある。坂本と現役が重なった選手でみると、遊撃手として100試合以上守れるかどうかが大きなポイントになる。
前任の巨人の遊撃手だった二岡智宏は、31歳シーズンまで遊撃手として100試合以上出場していたが、32歳以降は断念せざるを得なかった。
現在、坂本と同じ巨人でプレーをしている中島裕之は、メジャー移籍が重なり、30歳のシーズンまで遊撃手を務めた形となった。
さらに阪神で活躍した鳥谷敬は、35歳のシーズンまで遊撃手としてプレーをした。しかし、33歳からは守備範囲など限界に近いパフォーマンスと見受けられた。
また、坂本と自主トレを行なった宮本や巨人でともにプレーをした井端弘和は、37歳まで遊撃手としてプレーをした。
坂本と同じく歴代最高遊撃手として名前があがる松井稼頭央は、38歳のシーズンまで遊撃手としてプレー。
守備の名手から打撃型の遊撃手たちのキャリアを見ても、昨シーズン82試合の出場に留まり、35歳のシーズンを迎える坂本にとって、2023年シーズンは大きな山場になることは間違いない。
ただ、ファンからすると1年でも長く「遊撃手・坂本勇人」としてプレーしている姿を見たい、というのが本音だ。
勝負の年となる2023年シーズン。誰もが憧れる坂本勇人の復活劇で、巨人は3年ぶりのV奪回を狙う。