注目するポイントが違う絵を描くように心がけてます
――ここまでは作ることについて聞いてきましたが、逆に、見たり読んだりするのが好きな作品ってありますか?
本間 私、昔からSFが大好きで。
――えっ、作品からは想像できない!
本間 そうなんです(笑)。好きなのはH・R・ギーガーとか、ルネ・ラルーの作品ですね。自分の作品はあまりSFの影響を受けてないと思います。
――では、影響を受けた作品は?
本間 イラストレーターとして憧れているのは、てらおかなつみ先生や、えちがわのりゆき先生、穂の湯先生…たくさんいらっしゃりキリがないです。
――どなたもやわらかい雰囲気のイラストですね。先ほどのSFとは違って(笑)。
本間 そうですね(笑)。アナログで描かれているような絵が大好きですね。漫画だと『クレヨンしんちゃん』とか『魔法陣グルグル』などのギャグ漫画も大好きです。
――それはウルフくんの作風にも影響出てる感じがしますね。他にはありますか?
本間 『ペンギンズ・メモリー 幸福物語』という映画を幼少期から何度も見てて、それには影響受けたと思いますね。
――具体的にはどんなところが?
本間 ペンギンのキャラクターがデフォルメして描かれてるんですが、デザイン性があるところとか、キャラクターそれぞれの個性が強いところとかですかね。ウルフくんも影響を受けて、そういうところを意識して描いてます。
――本間さんが描くキャラクターも個性が強いですよね。
本間 作品を描くうえで、大きいイラストを迫力出して「ドーン」って描くよりは、『ウォーリーを探せ!』のような、一枚の絵のなかで見る人によって注目するポイントが違う絵を描くように心がけてますね。この子はどんな動きするだろうなとか、一人一人の行動を考えながら描くことが多いです。
――本間さんの描くイラストって、みんな表情は同じなんですけど、なぜかとても個性があって、どこを見ても楽しいです。キャラクターの性格なども細かく決めていらっしゃいますが、そのあたりの発想ってどこから来てるんですか?
本間 どこなんでしょう……。わからないですね。
――ナチュラルに思いつくんですか!? キャラクターを作ることって、漫画を専門で描かれてる方でもめちゃくちゃエネルギーを使うって言いますが。
本間 あまり考えてないですね(笑)。なんだろう……。ウルフくんたちが私の周りにいて、それを描き起こしてるっていうイメージです。甥っ子たちを“見守ってる”みたいな目線ですかね。
――自分から出てくるものを素直に描かれているんですね。
本間 あまり深く考えたことはないですね。
――深く考えずにできるのがすごいです。
本間 ウルフくんの作品を描いていて、苦に思ったことはないですね。疲れたとかも思わないです。常に楽しく描いてます。
――楽しく描いた作品がみんなに評価されるって、作家冥利に尽きますね。
本間 本当にありがたいです。
ウルフくんをもっと有名なオオカミにしたい
――昨年は「ぬすんであそぼ!ドロボー幼稚園」や、声優の河西健吾さんとのコラボなど、いろいろな展開がありましたね。
本間 そうですね、ありがたいことに。昨年はいろんなことにチャレンジしていこうって思ってた年だったので。
――今後チャレンジしたいことってありますか?
本間 ずっとやりたいなって思ってるのは「ウルフくんカフェ」ですね。
――「ウルフくんカフェ」! すごく行きたいです!
本間 これはかなり前からずっと言ってますね。おいしいご飯とふわふわなものに囲まれたカフェをやりたいです。私も店員になって料理運んだりして。
――作者自らですか!(笑)
本間 私自身も、その空間を味わいたいんですよ。カフェやるなら、その場に私もずっといたいですね。
――それは近いうちに実現しそうですね! 他にはありませんか? それこそお好きなSF作品とコラボとか。
本間 うわー! 『エイリアン』とコラボとか。夢ですね。実現しないかな?
――言霊ですから、アピールしていきましょう!
本間 そうですね、夢はたくさん持っておきます! そういうことで言うと大きな夢がありまして。
――なんでしょう?
本間 ウルフくんのイラストを見た人に「ウルフくんだ!」って言ってもらえるような、もっと有名なオオカミにしていきたいですね。そのためにいろんな活動をより頑張っていきたいです。
――いいですね! オオカミ界のトップに立ちましょう!
本間 そうなったらいいですね(笑)。