人付き合いに仕事や家族の介護など、「頑張る」のはいいけれど「頑張りすぎ」ていませんか? 「頑張りすぎ」と「何もしない」は同じことなんですよ! 新聞・テレビ・ラジオ等で話題沸騰中の“現役看護師”で女性僧侶でもある玉置妙憂さんが教える「頑張る」はいいけれど「頑張りすぎない」心がラクになる生き方。

※本記事は、玉置妙憂:著『頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む――』(マガジンハウス刊)より、一部を抜粋編集したものです。

みなさん、「頑張り」すぎていませんか? 玉置妙憂さん

「頑張りすぎ」も「何もしない」も不自然なんです

とにかく頑張ればなんとかなる、頑張ることこそが大切。私たちは、なんとなくそう思っています。頑張ることが目的になってしまって、頑張るためだけに生きてしまっている……。

人づき合いや、仕事、介護などで「疲れたな、つらいな」と感じてしまうのは、何のために頑張っているのか―、がわからなくなっているからかもしれません。

そのつらい状況が続くと、いつかはすべてを投げ出してしまうことになりかねません。頑張っても、頑張っても好転せず、ヘトヘトに疲れたところで人生がとまってしまいます。

世の中はいつもかならず動いています。水も空気もまわりの命も、私たちの身体も考えも、動きつづけて流れています。もちろん、時には流れがよどんで、とまってしまうこともあります。けれど、必ず自然に動きだして流れていくものです。

世の中は必ず動いている イメージ:PIXTA

「頑張りすぎ」は、その“流れ”をむりやり止めてしまうこと。

これしかないんだ―そう思いこんで、自然な流れをせきとめてしまうということなのです。

ところで、「頑張りすぎ」の反対は、「まったく頑張らない」(=何もしない)ですね。でも、この「何もしない」も、自然な流れに逆らって、“流れ”を止めてしまうということ。

つまり、「頑張りすぎ」は「何もしない」と同じことなのです。

ことわざで言えば、「過ぎたるは及ばざるが如し」でしょうか。「ゆきすぎることは不足しているのと同じようによくない」という意味です。

両極端はダメという考えを、仏教では「中道(ちゅうどう)」と言います。ラクな気持ちで心おだやかに生きる―ということは、「中道にいる」「どちらのでもない真ん中にいる」ということなのです。

さて、あなたは今、頑張りすぎていませんか? 

頑張りすぎているかどうか、すぐにわかる方法があります。

口の中を意識してください。奥歯をみしめていませんか? 頑張りすぎているとき、私たちは無意識のうちに奥歯を噛みしめています。文字どおり、「歯を食いしばって」頑張っています。耐えて耐えて踏ん張ろうとして、歯を食いしばります。流れを無理やり止めようとしているのです。

奥歯をゆるめて、口の中をぽかっと開けましょう。

家事をしているとき、仕事をしているとき、また寝ているときでも、「力が入りすぎているな」と思ったら、ぜひお試しください。