独身時代にはなかった勇気を手に入れた

子供が運を運んできてくれる、というのも聞いたことがあった。女性にとっても最大の厄落としだというが、父親にとっても人生最大の転機になることは間違いない。

「子供ができてから運気が上がった」と言ってる芸人仲間も多い。実際、俺も20年泣かず飛ばずでいたが、子供が生まれてから確かに流れが変わったと思う。

独身時代は『レッドカーペット』などの大きな番組に出て、「売れるかも!」と期待した矢先に事務所が潰れて路頭に迷ったり、R-1で決勝に行ったのに当時の事務所は別の芸人をプッシュしたりと、いろいろと運がなかった。

しかし、子供が生まれてからは何かとラッキーが続いた。

『オドぜひ』の「TAIGAナイト」からの、『アメトーーク!』の「40過ぎてバイトやめられない芸人」は本当にありがたかったし、手応えも感じた。

単発の収録に行ってたまたま優勝したり、一番大事なとこで失敗してもそれがメッチャウケしたりと、爪痕を残すことができた。

まさに、子供が運を運んできてくれたような感じだ。そして、ちょっとイヤなスタッフや演者がいても、子供の顔を思い出して深呼吸したら我慢できたし許せた。独身時代だったらキレてるようなことも、嫁と子供のためならサラッと流せるようになった。

ひな壇に呼ばれたものの、勇気がなくてなかなか前に出れなかったときも、子供の顔を思い出して前に出ることができた。自分がテレビに映った姿を見た彼らの笑顔を思い浮かべたら、どんなことも我慢できた。

家族のことを思えば、どんな仕事だって胸張れるようになった。独身時代にはなかった勇気を俺は手に入れたのだ。

俺の最高の幸運は、間違いなく妻と子供に出会えたこと。俺が感じている幸運は、間違いなく家族が運んできてくれた。だから、これからは俺が彼らに幸運を届けなければいけない。サマージャンボ宝くじは忘れずに買おうと思った。

(構成:キンマサタカ)

『TAIGA晩成 ~史上初! 売れてない芸人自伝~』は、次回6月16日(金)更新予定です。お楽しみに!!


プロフィール
TAIGA(たいが)
1975年生まれ。神奈川県出身。2005年『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』(フジテレビ)、2009年『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)、2009年の『あらびき団』(TBS)、2014年の『R-1』決勝進出でプチブレイク。下積み時代が続く中、2020年の『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(中京テレビ)、2021年の『アメトーーク!』(テレビ朝日)出演で再ブレイクの予感がする47歳。Twitter:@TAIGAtrendy