最近では、多くの会社で残業をしないことが推奨されている。しかし、なんとか定時で会社を出るものの、やり切れなかった仕事を家に持ち帰る人も多い。どうすれば仕事のスピードを上げ、かつ生産性もアップさせることができるのか――。「課題解決コンサルタント」として活躍する阿比留眞二氏は、まずは仕事のスピードを妨げている3つの要因を知ることが重要だという。

※本記事は、阿比留眞二:著『紙1枚で仕事の課題はすべて解決する』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

仕事のスピードアップは社会人の必須条件

「仕事が終わらない……」
「上司から仕事が遅いと指摘される……」
「会社から定時に帰れと言われている……」

社会人になると、仕事のスピードが求められます。そのため、仕事が遅いことが悩みとなっている人は多くいます。

仕事のスピードを上げるためには、それを妨げる理由を知ることです。多くの人に共通する悩みを知ることで、突破口が見つかります。

どこをどう改善すると、仕事がスピードアップするのか――。

この悩みには、課題解決の技法を使うことが効果的です。

社会人に共通する仕事のスピードを妨げる原因を知ることで、自分にふさわしい課題を見つけ、解決策を探るのです。

単純に考えると、1時間かかる仕事を30分で終わらせれば生産性アップになります。早く終わらせることで余った時間が、のちのち他者との差を生むことになるのです。

▲残業NG社会への対応が必要に イメージ:PIXTA

仕事の「スピード」と「質」は比例する

仕事が速くて正確であれば、当然、評価が高いものです。そして、なにより余った時間で仕事のアイデアを考え、他の仕事に手をつけることができます。

定時までにしっかり仕事を終わらせることができれば、スキルアップの時間を十分に取ることも可能です。

逆に、スピードが遅いとデメリットばかりです。当然、多くの仕事をこなすことができません。

行動よりも考えている時間が長い人は、仕事をしていないと思われるので評価が下がります。また、仕事が遅いと関係者に迷惑をかけてしまいます。

一般的に仕事のスピードが早い人は、仕事の質も高いものです。なぜなら、仕事を何度も回転させることができるからです。回転させていく中でブラッシュアップされていき、質が高まります。そして、成果につながるのです。

自分の理想に近づくためには、定時に帰って、自分の将来を考えたり、スキルアップを行なうことも大事です。

また、成功者は皆リラックスの時間を持っているものです。著名な経営者の多くが散歩をしたり、休息の時間を確保していることはよく聞きます。

仕事が早く終われば、ゆったりと過ごす時間がつくれます。そして、この時間にアイデアがわくことは多いのです。たとえば、シャワーを浴びているときなどに、アイデアはよく生まれます。

しかし、時間が足りなければ、こういうリラックスタイムをしっかり設けることもできません。

仕事のスピードを上げ、生産性を上げることは、さまざまなメリットがあるのです。

▲スピードの速さがすべての仕事にメリットをもたらす イメージ:PIXTA