若い世代が中心となってプロレスを盛り上げたい

小川&ザックとの初戦を乗り切ったあと、5連勝して11月4日新潟市体育館でGLG(GOOD LOOKING GUYS(グッド・ルッキング・ガイズ)のジャック・モリス&アンソニー・グリーンのGHCタッグ王座に挑戦。

大岩がグリーンのM-83(スクリュー式裏DDT)に敗れて王座奪取はならなかったが、ダブル・アームドラッグからダブル・アームロック、清宮のエルボードロップ&大岩のボディプレス、ダブル・ドロップキック、合体クロスボディアタックなど、合体技がスムーズに飛び出したのは収穫だった。

また、大岩の順応性の高さも特筆される。NOAHに参戦するにあたってヤングライオンの象徴・黒のショートタイツから、シルバーを基調としたロングタイツに変身した大岩は、ジャイアント馬場の全日本プロレスからNOAHに受け継がれているNWAスタイルのアームドラッグからアームロックに取り、そこから腕への一点集中攻撃という丁寧な試合運びを心掛け、その姿勢がNOAHのファンの共感を得ている。

▲大岩に馬場・全日本の流れを汲むオーソドックスなスタイルを伝授していく清宮

大岩自身も「海斗さんからはアームドラッグだったり、技術的なことを深く教わっている感じです。NOAHは基本的な技で試合を組み立てる選手が多いので、今は基本の部分を太くしていきたいですね」とNOAHでの他団体武者修行に意欲的に取り組んでいるのだ。

そんな大岩を見て、清宮はこう言っている。

「NOAHに馴染むことがいいのかどうかは、僕にはわからないですけど、でもハツラツとして自分の戦いに集中していると思います。合体技ですか? 毎日一緒に練習しているなかで“こういうのはどう?”って2人でどんどんアイデアを出し合って、それで1回やってみて“これはちょっと難しかったね。まずは簡単なのからやっていこうか”って感じで作っています。いま使っている合体技は、試合のなかでパッと自然に出せますよ」

▲大岩とのやり取りのなかで見つけた合体技は試合で活かされている

11月13日、新宿FACEにおける『MONDAY MAGIC ep3』では、プロレス界の未来の姿が見えた。“月曜日の魔法”を意味するMONDAY MAGIC(マンデーマジック)は、ノアの本戦とは別ブランドとして開催される大会で「何が起こるかわからない!」と話題になっているが、その第3弾となった11月13日大会のメインでは、清宮&大岩&安齊勇馬vsGLGのジェイク・リー&アンソニー・グリーン&LJ・クリアリーが実現。

安齊は昨年9月18日に日本武道館でデビューした全日本プロレスのスーパールーキーで、昨年のプロレス大賞新人賞に輝き、今年のN-1にも出場している逸材であり、NOAH、新日本、全日本を背負う若い力が唐突に揃い踏みしたのである。

初めてのトリオでも若い力は躍動。最後は3人でのトリプル・ドロップキックでジェイクを吹っ飛ばし、清宮と大岩がクリアリーに合体クロスボディアタックから、清宮が変型タイガードライバーを決めて快勝。拳を合せる3人の姿は、まさにプロレス界の未来だった。

「初めてチームを組んでみて“負けたくないな”ってスゴく刺激になったし、陵平、安齊選手……若い選手たちと刺激し合ってやっていきたいと思いましたね。“若い選手で上に行こう!”と発信しながらやっていくことで、周りの同世代の選手とどんどんつながりができていって、結果的に僕らの世代で一気にプロレス界を盛り上げていきたいですね。

気づいたときには、プロレス界の中心が若い世代になって盛り上がっているのが理想です。最終的には“自分が上に行く”というのが目標なので、そこに向かって、自分がこの世代を引っ張って行ってやろうという気持ちです」と、清宮はNOAHだけでなく、プロレス界全体の未来を見据えている。

▲プロレスの未来を担っていく清宮たち新世代に期待だ

『清宮海斗のROAD TO 1.2』は、次回12月29日(金)更新予定です。お楽しみに!!