今は西武ライオンズの球団職員として働く高木大成。前回は主にシーズンオフの仕事の動きについて紹介したが、シーズン中はどのような動き方をしているのだろうか。ある1日の流れを再現してもらった。
ナイター開催日は終電近くまでみっちり
前回お伝えしたように、11月から2月の間にほぼ年間売り上げの大半が決まってしまうのですが、それ以降は、先物で契約した「中継映像」という商品を、しっかりと価値ある形にして納めるのが私たちの仕事になっていきます。ここからは、主催試合が開催されるシーズン中のある1日を再現してみようと思います。
■球団職員の世界 第7回
ナイトゲームがある日は、勤務が夜遅くまでになります。その代わり、出社時刻も遅めです。
出社後、まず試合開始2時間半前にその日放送していただける放送局と打ち合わせを行います。この打ち合わせで、放送局の意図を把握し、きちんと連携が取れるように確認します。
全国同じ内容を放送しているインターネットとCSの場合は、球団が制作する映像をそのまま放送することになりますが、地上波とBSは放送局によってはライオンズ球団制作の映像に独自のアレンジを加えるケースもあります。
ビジターチームのダグアウトや選手を映しておくカメラを置いたり、CGなど画面の表示を独自のものにしたり、独自の実況アナと解説者を立てたりといった具合です。
2019年は、テレビ埼玉の中継で私が解説者として出演することもありました。
試合開始2時間前になると、技術スタッフと制作スタッフ、合同の打ち合わせが始まります。球団からのお知らせや、イベントの告知などを挟むタイミングを決めたり、この試合で絶対に強調したい重要なポイントを確認します。
同一カードが3連戦で行われることが多いので、前日の反省を踏まえて、今日はどういう中継にしていくかといった改善方法の意見交換をしたりすることもあり、とても大切な時間です。
もしその日、二軍の試合がCAR3219フィールド(旧西武第二球場)で行われていれば、そちらの動向もチェックしておきます。ファンのみなさんによろこんでいただけるような若手の活躍情報などがあれば、中継のなかにそのシーンを盛り込みます。