まぜそば屋なのに米がなくなる?
――『大宮まぜそば 誠治』には、どんなこだわりがありますか?
松本:細かいこだわりはあるんですけど、僕が一番コレだなと思っているところは、店名なんです。これはスタンスの話ですが『大宮まぜそば 誠治』って全部詰まってるんです。大宮、と銘打ってるところがポイント。 “この土地でまぜそばは初めてかもしれない”という発祥の店をするためだったり、ゆくゆくは“大宮のソウルフードになれたらいいな”という想いもあるんです。
といいつつ、もちろん味のこだわりもありますよ! 特に僕はカレーまぜそばを推したいです。キーマカレーのようになっていて、ちゃんとスパイスから作ってあって、その辛味が、強引に辛くするエンタメのような辛さではなく、体内から熱くなるようなスパイスの辛味!
このカレーがすごい美味しいと評判を受けて、カレーだけのメニューも出してしまいました(笑)。スペシャルトッピングカレーというメニューは、他のまぜそばと一緒で無料トッピングも選ぶことができるんですよ。ニンニク・背脂・卵も選びながらカレーを味わえるスタイルを作ったら、米がすぐ枯れるという問題に直面しちゃったこともあり……。
なので、初めての方で「カレーも食べてみたいです」という方には、普通のまぜそばを頼んでいただいて、追いカレーで味変をしながら食べるというのがオススメですね。
【まぜそばのスヽメ】
— 大宮まぜそば 誠治 (@mazesoba_seiji) February 5, 2023
定番の『味ネギ粉チーズまぜそば』に『追いカレー』と『半ライス』を追加!まぜそばを少し残してカレーと半ライスをドボン🍚卓上のタレとお好みの調味料で味を調整すれば何度も美味しいです😋
是非色々な食べ方を試してもらいたいです🦁 pic.twitter.com/Ob8BbGpO4K
止まらずに動き続けるthe telephones
――ちなみに『大宮まぜそば 誠治』での経験が、ご自身の音楽に影響をもたらしていることはありますか?
松本:何かをちょっと加えるという、微量な調整の仕方は音と同じだなと思います。ちょっと変えるだけで、音のキラッとした部分の広がり方が違うなとか、ローを出すときに無意味に出すのではなく、ほかの音を抑えて出すと聞こえ方が違う、などの足し引きの部分は近いと思います。
あとは、ライブにおけるスタンスとして、お客さんの顔をより見るようになったかもしれないです。全ては対応できないけども、何かもっと盛り上がれるやり方がありそうだなとか、どういうところに何をしてあげればいいかとか、考えるきっかけになりましたね。
――そんなthe telephonesですが、昨年は長島涼平さんの脱退もありましたが、それでも止まらず動き続けていますが、バンドとしては今どのようなフェーズなのでしょうか?
松本:僕らは2015年に一度、活動を止めたことがあるんですけど、 そこで「もう1回バンドで活動をしたい」ってメンバーが言ってきたんです。でも正直、最初はちょっと乗り気じゃありませんでした。一度止めたものを簡単な気持ちでまた始めるんだったら、巻き込んだ人に失礼だろと思っちゃって。
ただ、ほかのメンバーの「やりたい!」というフレッシュな気持ちをむげにはしたくないなと思って、僕の中の結論が「この先、何があっても止めない。それだけ約束してくれたらいい」ということでした。
――シビれるお話です。
松本:ただ、コロナ禍になって……何か月かライブもできず、そこからゆっくりと配信ライブをやってとか、半分以下にしてお客さんを入れてとか、マスクをして拍手だけで、ということを重ねて、コロナ禍でいろんな価値観が生まれてきたなかでも、“なんとかやれてきたかな……”と思ったときに、メンバーが1人離れることになって。
ずっと4人でやってたから。メンバーが抜けることは考えてなかったので、「この先、何があっても止めない」と言いつつ、誰かが「これはthe telephonesじゃない、終わりにしたい」と言われたら、否定もできないなと思っていたです。けど、逆にみんなが前向きになっていて、この出来事を機にもっと自由に音楽を作ってみよう、という雰囲気になったんです。
〇the telephones - Danger Boy (Music Video)
――今のお話を聞くと、より楽曲のスゴさを感じるというか、このタイミングであそこまでの新しいことを生み出せているのか、と。新鮮すぎたんですよね。
松本:そうだと思います。これは石毛に関してですけど、出てくるものがすげえな、面白いなと思うことが多いので、あいつの楽曲を信頼していますね。バンド1年目までとは言わないけど、そのくらい新鮮な気持ちはあります。
僕は生ドラムをやっていたけど、SPD-SXというサンプリングパッドがメインになって、触り方も雰囲気も違うものだけど、これをどう鳴らせるかなとか日々研鑽するし、ドラムを始めた頃の感じが戻ってきていて、41歳にして、今めっちゃ楽しいです!
(取材:笹谷 淳介)