例えるなら「ピッチャーのバッティング」

僕が、番組を通じて好きになったアイドルの共通点は、とにかく「バラエティに前のめり」であるということだ。

アイドル番組というのは難しくて、そのアイドルのイメージや、ファンが求めているものなど、諸々を考慮しなければならず、「ただ面白い企画」をすればいいわけではないのだ。アイドルにとって最重要なのは、歌やダンス(=パフォーマンス)であって、バラエティ力ではない。

もしアイドルに、バラエティで無理を強いて、その結果、イヤな思いをして“アイドルを辞めたい”となってしまったら、本末転倒なのだ。番組をやるにあたり、それだけは避けなければいけない。

これをプロ野球で例えると、「ピッチャーのバッティング」と、ちょうど同じだと思っている。ピッチャーにとって最重要なのは、当然ピッチング。バッティングで張り切った結果、ケガでもしたら最悪なので「打てなくても仕方なし」という扱いをされている。

ただ、元巨人の桑田真澄さんや、現日本ハムの山崎福也投手など、バッティングのいいピッチャーは人気が出る。なぜならハードルが低いから。でも、年に数回「ピッチャーの一打が試合を決める」ことだってあるし、自分で自分を援護することができるので、ピッチャーだって、バッティングがいいに越したことはない。そう考えると、大谷翔平選手は超すごい。

アイドルも「面白くなくても仕方なし」と思われているから、バラエティ力が高いと好感を持たれるし、人気になることが多い。指原莉乃さんのように、バラエティがきっかけで天下を取るところまでいく人もいる。アイドルは本業がバラエティじゃないからこそ、前のめりに取り組んでくれると、ファンもスタッフも本当に嬉しくなるのだ。

「アイドルのバラエティ=ピッチャーのバッティング」という例え、かなり気に入ってるんだけど、語彙力がないから満足に伝わらなくて悔しい。

これからも弊社は、ピッチャーにバッティングをさせている、という気持ちで、慎重に慎重にアイドル番組に携わっていきたいと思う。

次回の『TP社長日記』は、11月28日(木)更新予定です。お楽しみに!!


プロフィール
高橋 雄作(たかはし・ゆうさく)
株式会社TPコーポレーション東京X代表取締役。高橋プロデューサー略して「TP」と呼ばれている。東京都出身。1987年9月27日生。早稲田大学政治経済学部卒。テレビ朝日に新卒で入社し「Qさま!!」「お願いランキング!」「もういっちょシリーズ(金属バット・蛙亭・ランジャタイほか)」などを担当、PやDを務める。2022年8月に独立し会社設立。「金属バット無問題(YouTube)」「板橋ハウスのラジオディア(stand.fm)」など様々なコンテンツを手掛ける他、お笑いラジオアプリ「GERA」チーフP、ライブ配信サービス「SHOWROOM」コンテンツDも務める。また「新横浜ラーメン博物館」にあるラーメン店「浅草来々軒」のオーナーも務めている。お笑いと北海道日本ハムファイターズとフライドポテトと柿の種が大好き。Twitter:@takahashigohan、オフィシャルサイト:株式会社TPコーポレーション東京X