「元選手」の頑張りが、セカンドキャリアを切り拓く

ただ、今自分がやっていることも、それにつながると思っています。与えられた仕事を一生懸命やる。それを上長がどう評価するか。「元野球選手でも使える」と思ってもらえるか。それとも「やっぱり元野球選手だから使えない」という評価になるか。私がやっていることが、「プロ野球選手のセカンドキャリア充実」に直結していると考えています。

当然ではありますが、私が引退した後だけでも、すでに何人も現役を引退した選手がいます。そういう世界です。そのような流れを作っていく、という意味でも自分が頑張らなければならないと感じています。

子どもたちに野球を指導する「アカデミー」ができて、コーチだけでなく、運営スタッフにも元選手が携わるケースが出てきました。

「デジタル・ネイティブ」とも言われる、生まれながらに電子機器を操る世代の選手が増えて、PCを苦もなく扱う選手も増えてくるでしょう。そして、私を含めた元選手たちの頑張りが、セカンドキャリアの道を切り拓くはずです。

前回、前々回と、球団職員のさまざまな職種を紹介しました。自分が携わってきた仕事以外のことがまだまだたくさんあるので、いろんなことを知りたい、挑戦したいという気持ちも強くあります。

事業系から入って営業、広報系のこともやらせてもらいました。まだやっていないのは、ベースボール・オペレーションの部分、ライオンズでいうなら球団本部です。

私の球団職員としてのキャリアは、事業系から入って、今こうしています。もし、球団本部から入っていたら、今どうしているのかなと考えることはあります。

チームに同行するスタッフの一人であったり、編成に関わる立場であったり……いずれにしても、現在とはまったく違う道を歩んでいることは間違いないでしょう。

ひとつ言えるのは、どの仕事を担当することになったとしても「高木が適任だ」と思ってもらえるように、これからも頑張っていくだけ、ということです。

11回にわたってお付き合いいただきましたが、今回が最終回となりました。球団職員の世界、その実態が少しでも垣間見えて、興味を持ってもらえたなら、連載をしてきたかいがあったと思います。このような機会をいただき、ありがとうございました。

「元選手」の頑張りが、セカンドキャリアを切り拓く