おはようございます、こんにちは、こんばんは。番組プロデューサーのTPこと高橋です。「TPコーポレーション東京X」という、変な名前の会社の社長をやらせてもらっています。

僕は幼少期から日本ハムファイターズの大ファンです。日本ハムが北海道に本拠地を移転する前、いわゆる「東京ファイターズ時代」からのファンで、毎年2月には沖縄までキャンプを見学しに行くほどの沼っぷりです。かれこれ30年、日本ハムを追いかけ続けていますが、今シーズンは特にアツいシーズンとなりました。仕事そっちのけで最終戦を現地で観戦していたので、その感想と学びを書きたいと思います。ファンすぎるので敬称略して書くのですがご容赦ください。

ドラマが起きなかったドラマ

2025年10月20日。

我が日本ハムは、クライマックスシリーズのファイナルステージで福岡ソフトバンクホークスに3勝4敗で敗れ、今シーズンの幕を下ろした。

そして僕はその瞬間を、PayPayドームの日本ハム側ベンチ上の客席で見届けた。ベンチで項垂れる選手の姿を目に焼き付けたかったが、日本ハム側ベンチ上の席から日本ハムベンチが見られるはずがなかった。

逆側の席にすればよかった。

「日本シリーズ進出」か「今シーズン終了」かーどちらにしても決着がつく試合。

僕はいてもたってもいられず、気づいたら福岡にいた。

2-1の惜敗。わずか1点差。それでも、その1点があまりに遠く感じた。今シーズンのチームを牽引してきた選手たちが軒並み奮わず、最後の最後でドラマは起きなかった。

清宮はエラーが失点につながり、最後のバッターにもなってしまった。「エラーしたら打つ」というジンクスは発動しなかった。

古巣ソフトバンク相手に“恩返し弾”を期待された水谷も、全く刃が立たず。

何度もチームを救った助っ人・レイエスは、最終打席でど真ん中のストレートを見逃し三振。

どんなときも冷静な郡司でさえ、最後はワンバウンドのボール球に空振り三振。

昨年のクライマックスシリーズで9回に奇跡の同点弾を放った万波選手には、あと1人のところで打席が回らなかった。

2連敗からの3連勝、王者ソフトバンクを土俵際まで追い詰め、評論家たちが「日本ハム有利」と口を揃えても、勝てなかった。

最後の最後、ドラマは起きなかった。

▲帰り道でかろうじて撮ったPayPayドーム。行きよりも大きく見えた

1試合も出場していない僕がこんなに悔しいのだから、選手たちはこの1万倍悔しいに違いない。

僕は正直なところ「絶対勝つぞ」とは思っていなかった。これは長年日本ハムの敗北を何度も見届けてきたために発動する無意識の防衛本能なのかもしれないが、いつも「負けを見届ける」のだって悪くないと思っている。

なぜなら特に今回ここでの敗退は、どう転んでも来シーズンへの壮大な伏線になることは間違いないから。これはエンタメ目線すぎるし、こんなことを言い始めたらなんでもアリだが、僕は「ドラマが起きなかった、というドラマ」だと思った。2025年10月の福岡は、2026年に完結する物語の中盤。

起承転結の「転」パート、クランクアップ。

▲昨年の最終戦も行ってたんですが、あまりにボロ負けだったので逆に元気