刀を握る手に物語を宿す

鈴木:細かく見て頂いてうれしいです!なんか叩き切ってやるっていうような意気込みじゃなくて、叩き切ってやろうかな、どうしようかな、みたいな心にも余裕を持ってるイメージで描きました。

高野:僕も刀を持つ2.5次元作品に出演しているんですけど、そのビジュアル撮影の時に手にニュアンスをつけてくれって言われるんです。最初は、違和感があったんですけど、ちょっとずつ慣れて。確かに写真で見た時に、そっちのほうが見栄えがいいなと思ったりしたので。

鈴木:多分、ギュッて握ってるよりも、この手の手先の動きとか付けた方が内面の感情とかが出るような気がしています。

高野:作品のテーマとかって、常にアイデアをストックとかされてたりするんですか?

鈴木:自分の中に引き出しがいっぱいあるんですけど、その引き出しに何か関連付けるテーマをインプットして、そのインプットしたテーマと自分の引き出しを組み合わせて、ガチャガチャ組み合わせて1枚の絵に仕上げるんですけど、あ、この人のこの仕草おもしろいなとか、この人のこの表情かっこいいなって思うと、それをアイデアに取り入れたりもしてます。

高野:へぇー! 女性のイラストは毎回違う人を描いてるイメージなんですか?

鈴木:多分、僕は同じ顔の絵を二度と描けないんですよ。なので必然的に毎回違う人を描いています。逆に顔のパーツに差異をつけて人物のバリエーションを作るのも結構難しく感じます。漫画家さんがキャラクターを描くときでも、女性キャラって顔のパーツに特徴付けて差別化するのが難しいんじゃないかなって思うんです。若い女の人のキャラは全員似たような顔になっちゃったりして。なので僕は髪型とか服装でキャラクターの差別化をしていますね。

――高野さん、都道府県の作品の中で好きなもの、気になるものありますか?

高野:好きなものたくさんありますね。えー…選べない…(笑)。

鈴木:ははは(笑)。

高野:この秋田の絵、かっこいいですよね。

鈴木:ファンの方からも、この絵は人気がありましたね。

高野:この視点もエグいですよね。新潟の絵も好きです。

――ピンクと緑の色もとてもいいですね。

鈴木:実は、色ありきで描いていて、色を先に決めたんです。

高野:へぇー。

鈴木:全部を差別化しなきゃと思って。なので、逆に結構縛りがあったので大変でした。ちなみに、和歌山の絵には、パンダがいるんですけど、ちょうど描いている頃に、パンダが中国に帰るという話題があって…。

高野:あ、ホントだ!

――だから、パンダが荷物を持って帰ろうとしてるんですね!

高野:梅を持って帰ってるんですね(笑)。

鈴木:そうそう、紀州梅を持って帰って(笑)。

――可愛いですね。

高野:よく見ると、小ネタが散らばってるところありますね。

鈴木:小ネタが好きなんですよね。大概の人はわかんないけど、わかる人はわかる、みたいな。わかる人がクスリと笑ってくれたら嬉しいなと思って描いています。

次回の『お訪ねアトリエ』は、2025年12月19日(金)更新予定です。お楽しみに!!


 
 
プロフィール
高野洸(たかの あきら)
2009年、NHK教育の人気番組「天才てれびくんMAX」の全国オーディションで選ばれた5人でDream5を結成。妖怪ウォッチのエンディング「ようかい体操第一」が話題となり、2014年にはレコード大賞・紅白歌合戦に出演。2016年のグループ活動終了後は、ミュージカル「ROCK MUSICAL BLEACH」主演や「刀剣乱舞」(膝丸役)、「ヒプノシスマイク」(山田一郎役)、舞台「キングダム」(信役)、舞台「WAR BRIDE―アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン―」などに出演し、俳優として活躍。音楽活動では2019年に「LOVE STORY」でソロデビュー。2024年、2025年には、<高野洸 5th Anniversary Live Tour 「mile」~2nd mile~>を開催し、LINE CUBE SHIBUYAにてファイナルを迎えるなど音楽面でも精力的に活動している。ドラマ『地獄は善意で出来ている』『推しが上司になりまして フルスロットル』に出演中。
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プロフィール
鈴木セイゴ(すずき せいご)
イラストレーター。主にSNSで作品を発表している。デジタルでの浮世絵風のテイストで、独自の和を表現して人気を集めている。画集『うっつく -日ノ本美人寄-』(小社刊)が現在発売中。
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