ほんの数カ月前に芸能活動の引退を考えていた
その時期、何度かアメフラっシのステージを見たり、直接、取材をしたこともあったのだが、そんな気配はまったくしなかったので、この取材でそこまで悩んでいたと知って、いささかびっくりした。
「そうですよね。これはメンバーにも、マネージャーさんにも当時は話していなかったので。進路のことなので家族には話してましたけど、こういう相談をメンバーとかスタッフさんに話すと、なんか迷惑がかかるじゃないですか? もともと、私ってそういう性格なんですよ。なにか思うところがあっても、それを口には出さないで、自分の中で『どうしよう? どうすればいいんだろう?』って考えこんで、自分の中で解決しちゃうタイプ。だから、周りにはなにも気づかれてなかったりするんですよ、アハハハ。
結局、ものすごく揺れ動いた結果、もう大学受験をする方向で気持ちは固まりかけていました。あっ、『受験勉強と芸能活動を両立するのは無理だろうな』と思っていたので、もう一本に絞る気持ちでいましたね。はい、受験一本に絞って芸能活動はもう辞めよう、と……」
なんと鈴木萌花は、ほんの数カ月前、芸能界引退を真剣に考えていたのだ。しかし、ここで流れが大きく変わる。他のメンバーが突然の脱退宣言をし、アメフラっシは5人から4人に再編成されることとなったのだ。
「どうなっちゃうんだろう?と思いましたね。このまま解散しちゃうんじゃないかな、とも思ったし。ちょうど1年前に3B juniorからアメフラっシに変わって、今度は5人から4人になって……ひょっとしたらまた同じことの繰り返しになるのかなって不安もありました」
大学受験を考えて揺れる気持ちと、グループの存亡がかかった一大事。あまりにも激動すぎた鈴木萌花の高3の夏から秋。そんな彼女が「未来」を決める瞬間は、2019年の冬にやってきた――。
【連載15回目の追記】
このインタビューはZoomを利用して行われた。いつもの取材とは異なる環境。それでも鈴木萌花はいつもと変わらず真剣に向き合ってくれた。そして痛いほど伝わってきた胸の内……次回以降も衝撃的な話が続くのである。