国際連合の「オリジナルメンバー」は51カ国

国際連合の加盟国という意味なら2011年にスーダンから独立した南スーダンの加盟が認められて193カ国となっている。しかし、第二次世界大戦が終わって国連が発足したときの現加盟国は51カ国だった。

国連発足時は、アメリカ、英国、フランス、ソ連の思惑から、ソ連の構成国のうちウクライナ、ベラルーシやフランス、英国、アメリカのそれぞれ植民地だったシリア、インド、フィリピンは、独立国ではなかったが、英仏米ソの4カ国の投票権をめぐる駆け引きのなかで原加盟国とされた。

ヨーロッパ(14):ベルギー、ベラルーシ、チェコスロバキア、デンマーク、フランス、ギリシャ、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ロシア連邦、ウクライナ、英国、ユーゴスラビア
アフリカ(4):エジプト、エチオピア、リベリア、南アフリカ
中 東(6):イラン、イラク、レバノン、サウジアラビア、シリア、トルコ
アジア(3):中国、インド、フィリピン
大洋州(2):オーストラリア、ニュージーランド
アメリカ(22):アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、アメリカ、ウルグアイ、ベネズエラ

逆に、枢軸側に立った日本やドイツなどは加盟を認められなかった。こうした原加盟国のほかにどんな国があったかということになると、のちの国連加盟順に並べると、以下のとおりである(バチカンのみ現在でも未加盟)。

アフガニスタン、アイスランド、スウェーデン、タイ、イエメン、アルバニア、オーストリア、ブルガリア、フィンランド、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ヨルダン、ネパール、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、日本、モンゴル、ドイツ、リヒテンシュタイン、サンマリノ、モナコ、スイス、バチカン
▲国際連合の「オリジナルメンバー」は51カ国 イメージ:PIXTA

そうした事情にも考慮して数えると、戦後すぐの時期の世界の国は約60カ国だった。これらの国も順次加盟していったが、さらにアジア、アフリカの国が急速に独立していった。

東南アジアは、日本軍の占領とその敗北後の混乱のもとでベトナムなどインドシナ3国、フィリピン、ビルマ(現ミャンマー)、インドネシア、インドなどでさまざまな形の独立政府の樹立が行われていたことが背景にある。

それらの独立は、日本の敗北で帰ってきた宗主国によっていったん取り消されたが、もはや勢いを止められなかった。本当に日本が模範的に民族の自立を希求していたかどうかはともかく、日本のおかげで植民地主義からの解放が進んだのは事実だ。

出遅れたアフリカにおいても、アフリカの年といわれた1960年のあと独立が進み、1961年には国連加盟国は100を超えた。そして、令和元(2019)年5月1日には193カ国になった。