質の良い睡眠を取るための5条件

質の良い睡眠は、心と体の疲れを取ってくれます。また、子どもたちにとっては、成長ホルモンを分泌するための大切な時間になります。大人にとっても成長ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌により免疫が活性化し、病気の予防と治癒に大いに役立ちます。

まさに、「最強の免疫力」を手に入れるためには質の良い睡眠を欠かすことはできません。場合によっては、嫌な思いをしたことや忘れてしまいたいことなど、心の傷を癒やすためにも睡眠が大きな助けとなってくれますし、受験生にとっては記憶を定着させて試験で良い結果を残すことにも一役買ってくれるのです。

それではさっそく、質の良い睡眠を取るための5つの条件を学んでいきましょう。

①食事に気をつける

睡眠の質を高めてくれる食材を味方につけましょう。それは、トリプトファンという成分を含んだ食材です。必須アミノ酸の一つであるトリプトファンは、わたしたちのからだで自ら生成することができないので、食べ物から取る必要があります。このトリプトファンは、「リズミカルな運動」をするとからだのなかでセロトニンに変わり、そして睡眠に必要な物質、メラトニンに変化するのです。

つまり、トリプトファンを豊富に含んだ食事をして運動をすれば、質の良い睡眠を取ることができるということです。ここでいう「リズミカルな運動」については、特別な運動を指すわけではありませんので、②で詳しくご説明しますね。

トリプトファンを豊富に含む食材は、カツオ、レバー、大豆などです。自著である『115歳が見えてくる“ちょい足し”健康法』にも書かせていただきましたが、ビタミンB6と鉄分を加えるとトリプトファンを効率よく吸収して活性化することができます。そこで、ビタミンB6が豊富なニラと鉄分が豊富なレバーを組み合わせたレバニラ炒めを昼食に食べることで、質の良い睡眠を取る準備をすることができるのです。

▲ビタミンB6と鉄分が豊富なレバニラ炒め イメージ:PIXTA

②運動をする

運動は睡眠の質を高めてくれることが証明されています。

そして、①ではセロトニンの分泌には「リズミカルな運動」が欠かせないとお伝えしましたね。では、この「リズミカルな運動」とはなんでしょうか。

これは、特別なことではありません。つまり、「呼吸すること」や「咀嚼(そしゃく)運動」で大丈夫です。腹式呼吸でしっかりと深い呼吸をリズミカルにすることは、質の良い睡眠につながりますし、食事を良く噛んで取ることは、栄養の吸収ばかりでなく、胃腸の状態も整えてくれ、さらに質の良い睡眠へとつながるのです。

逆に、夕方以降にあまり激しい運動を行うと交感神経が興奮してしまい、睡眠の妨げになる場合がありますから、ご注意くださいね。

③寝る前に体を冷やさないようにする

赤ちゃんが眠くなると頬が紅色になり、手足が温かくなります。実は、人は体温を上げることで睡眠の準備をしています。寝る前にお風呂に入ってからだを温めたり、足浴をしたりするのは、そのためです。

布団に入る30分前に体温を上げることで、質の良い睡眠を取ることができるようになるのです。そして寝てしまったあとは、体は徐々に体温を下げていき、朝には1日のうちで最も体温が下がります。つまり、寝ている間、暖房を入れていたり、電気毛布で加熱していると質の良い睡眠を取ることができないのです。