外出自粛がもたらしたストレス

自粛期間は私たちに大きな試練を与えました。

いつもなら働いている時間に家にいるということは、これまでありませんでしたし、コロナの感染に不安を抱えたまま自宅で過ごすことになりました。家族がいない人は孤独な時間を過ごしました。不安が尽きず、普段より時間が長く感じたことでしょう。

一方、家族がいる人はいる人で、これまでにない長い時間を共に過ごして、それがストレスにもなりました。

当たり前に送っていた日常生活が、当たり前ではなくなったことに気がついたとき、私たちは大きなストレスに直面してしまいました。

たとえば、同居をしている家族とケンカをしても、家を飛び出して頭を冷やすこともできません。焦りや不安を感じたとしても、常に家族の目があり、逃げ場のないことが、さらに気持ちを追い込んでしまったかもしれません。

優しい“お節介”で追い詰めないように

元の日常になかなか戻れないことは、焦りを増幅させます。

「休んでいてはいけない」
「何かしないと時間がもったいない」
「働かないとお金がない」
「自分が働かないと会社が回らない」

しかし冷静に考えましょう。みんなが同じように働く必要はないし「何もしない」という時間の使い方だってありなのだと。

たとえ1人がいなくなっても会社は回ります。もし1人抜けただけで回らない会社なら、それは会社が悪いし、その責任を個人が負う必要はありません。

弱っている人が個人事業主だったら「あなたのような才覚があれば、少しくらい休んでもどうにかなる」という話をしてあげてください。

身近な人が元気がないときは、とにかく心配になるものです。優しい人ほど小まめに連絡をして、どうにかしてあげたいという気持ちから、お節介を焼きたくなるものです。

相手を心理的に追い詰めないことも大事です。答えを急いでも、いいことは一つもありません。人は物事が思い通りにいかないとイライラしますが、他人が自身の思い通りに動かないことは当然です。

期待をするからイライラするし、しんどくなるのです。相手を思いやった自分の行動に対するリアクションがなくても、気にしてはいけません。