名機『フィーバーメガクィーンEX』との邂逅

この頃はパチンコそのものが楽しくて、しょうがなかった。とはいえ、パチンコはお金が掛かる遊びです。バイト代が一日でぶっ飛んだこともあります。ですから、それなりに苦悩した時期ももちろんある。

「パチンコ屋なんかなければ、こんな金がないことにならなかったのに」とか「いたいけな学生から金をむしり取りやがって!!」とか「パチンコなんかもう辞めてやる!!」って思ったことも、一度や二度ではないですよ(笑)。今ではそれを乗り越えて、こうやってその時の思い出をお仕事にさせていただいているんだから、人生どこでどうなるかわからないですね。

そんな中、打ってきた台で、僕は“運命の出会い”と言える「すげえええええ何これおもしれえええええカッケエエエエエエ」ってなった台に出会います。生まれて初めて、ハマった台。文字通り「打ち込んだ」台。

羽根モノの楽しさが「玉の動き」だとするならば、デジパチの楽しさは? たしかに、デジパチを打って最初に衝撃を受けたのは「出玉の多さ」でした。でも、デジパチの楽しさは「出玉が多い」ってことだけじゃないんだぜ、っていうのを教えてくれた台。

それが、SANKYOの『フィーバーメガクィーンEX』(現金機)です。

クィーンシリーズと言えばどうしても、前回のコラムで記載した『フィーバークィーンII』のほうが有名でしょう。

そのため、この台について言及している人を、僕はあまり見たことがありません。が、僕は、間違いなく名機だと思っています。あ、CR版じゃなくて、現金機のほうね。

スペック的には現金時短機で、大当り確率1/223・賞球5&13・16R10C。出玉に関しては2000発弱くらい。この台は、図柄が8種類(1/3/5/7/C/T/E/Z)あるのですが、3&7図柄は200回転、1&5図柄は120回転、E&Z図柄は60回転、C&Tは時短なしという、大当り図柄に応じて、時短の回数が設定され、連チャン率が異なる、というスペックでした。

〇フィーバーメガクィーン[bakuchikuさんのYou Tubeより]

当時の僕はドラム台が大好きだったのですが、その中で特に僕に“刺さった”台です。この台、全体的なコンセプトとして、めちゃくちゃ「サイバーな雰囲気」なんです。カッコいいんですよ。言葉だと説明しにくいんですけど、電脳空間の中に飛び込んだとでも言うのでしょうか。

ドラムにある図柄も、平面ではなく、立体というのもインパクトがありました。金色のドラムに大きく図柄が飛び出していて「こんなものが回せるのか!」ってビックリした覚えがあります。盤面も近未来的で、音楽もテクノミュージック寄りで、カッコいい。「クィーン」と名がついていますが、継承しているのはドラムの台ということだけで、トランプの図柄さえもないんですけどね。

その金ピカのドラムが、ピコピコしたサウンドと共に高速回転したりコマ送りになったりして、スーパーリーチが展開していきます。ドラム台ながらも独特の世界観を形成していて、僕はそこに引き込まれたのかもしれません。リーチのバランスも今思えば非常に良かったと思います。