「取材はしない」真中流シンプル解説の極意
新保 だから、真中さんの解説は聴いていて楽しいんですね。
真中 でも江本(孟紀)さんみたいな辛口の解説があって、谷繁(元信)のような配球やバッテリーの心理を語るマニアックな解説があって、いろんな解説者がいるのがいいんです。僕はどっちかというと、純粋に野球を楽しむだけの中継を心掛けています。
新保 たしかに、私はニッポン放送時代、毎晩スタジオで毎晩違う解説の方々のお話を聞いていて、いろんな目線で野球を知ることができて、ますます野球が好きになったと実感しています。ところで、今年は新型コロナウイルスの影響で、グラウンドレベルでの取材が難しくなっているのですが、真中さんは現場取材はどうされていますか。
真中 取材ねぇ。僕は、ほとんど取材はしない。それは実況の人に任せています。だって別に僕が「どんな気持ちだった?」とか選手に聞いてもしょうがないじゃないですか(笑)。僕の仕事はプレーの解説。実況でもなければ、評論でもないから、取材もデータもいらないと思っているんです。目の前で起きたプレーを解説すればいい。
新保 それぞれの解説者が「解説者像」を持っているんですね。試合前に話を聞きに行く人も多いですよね。
真中 そうですね。だから、行ったら行ったで挨拶はするでしょうけど、僕が挨拶したところで、練習の邪魔をするだけだと思うので。だから、あくまでもシンプルに仕事をしています(笑)。
お話を聞いた人
真中満(まなか みつる)
1971年1月6日生まれ。栃木県出身。宇都宮学園時代は3年時の1988年に春夏連続で甲子園に出場。大学時代は東都大学リーグで4度のベストナインに輝く。1992年のドラフト会議にてヤクルトスワローズから3位指名を受けて入団。走攻守にわたり躍動し、99年には打率3割を達成。2001年にはチームの日本一に大きく貢献。以降も“代打の神様”として活躍した。現役引退後はヤクルトの二軍打撃コーチ、二軍監督、一軍監督などを歴任。就任1年目にチームを14年ぶりのリーグ優勝に導く。2015年のドラフト会議では、1位指名の選手を巡り、「交渉権獲得」と勘違いしてガッツポーズをするという伝説を残す。2018年からはニッポン放送など解説者として野球の魅力を届けている。
『フリーアナウンサー・新保友映の「あの人に会いたい!」』は、次回10/10(土)更新予定です。お楽しみに!!
聞き手
新保友映(しんぼ ともえ)
フリーアナウンサー。山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。『ニッポン放送ショウアップナイター』『板東英二のバンバンストライク』などでプロ野球の現場取材などを長く担当。その他『オールナイトニッポンGOLD』『高嶋ひでたけのあさラジ!』『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』『三宅裕司サンデーハッピーパラダイス』などニッポン放送の看板番組を務める。2018年6月よりフリーアナウンサーとして活動を開始。プロ野球の取材・コラム執筆、経営者のインタビュー、イベントの司会など、幅広く活躍している。
所属:B-creative agency (http://bca-inc.jp/)
出演:『大石久和のラジオ国土学入門』(ニッポン放送) https://www.1242.com/kokudogaku/
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