プロ野球選手時代は、16年にわたり走攻守に活躍し日本一に貢献。また監督としても就任1年目にリーグ優勝を成し遂げるなど、東京ヤクルトスワローズの顔として勝負強さを遺憾なく発揮してきた野球解説者の真中満さんに、現在のスワローズへの愛ある叱咤激励と、スワローズ時代それから解説者として活躍するなかで培った「仕事観」について伺いました。

監督就任1年目の優勝あり、96敗の最下位あり。常にポジティブな真中満さんのメンタルの強さの秘密や、監督(上司)としてどのように選手を評価したのかなど、ビジネスマンにも通じるお話を聞きました。(取材は8月末に行いました)

※編集部より:今回のインタビューは「三密」を徹底的に避けて行いました。

コロナ禍の中で、もがく子どもたちへのメッセージ

新保 今年は高校野球をはじめ、多くの子どもたちがスポーツの機会を奪われてしまっていますが、子どもたちにどんな言葉をかけてあげたいですか?

真中 そうですよね。高校野球だけでなく、小学校や中学校もほとんどの大会が中止になってしまって、今までやってきたことを披露する舞台がなくなってしまいましたよね。子どもたちに「我慢しろ」と言うのは本当に難しい。

でも、できることをやるしかないですよね。だから、試合がなくても、野球をやっている子であれば、技術アップのために練習をがんばっていくしかない。大切なのは、今できることに取り組むこと

将来的なことなんて、何も約束できないけれど「とにかくできることをやろうよ」と。大会はないけれど、そのことが今後に生きるかもしれないし、その努力がスポーツ以外の違った部分で生かせるかもしれない。そんなことを思いながら、頑張ってほしいと思います。

新保 私はスポーツをやったことがないのですが、目標を持つことって全てにおいて大事ですよね。それが奪われてしまうのは、本当に辛いだろうと……。

真中 そうですよね。受験勉強を一生懸命やってきて、受験する学校がひとつもなくなっちゃうようなものだからね。そうすると勉強する意味がなくなっちゃうように思いますけど、でもそこをなんとか切り替えて「今後のためになるんだ」というように大きなスパンで考える。次につながるかもしれない、と考えるようにするしかないですよね。

小さい子どもには、なかなか理解できないかもしれませんが、そこは親がストレスを分散しながら、うまく持っていければいいですよね。考えてしまうこともあるでしょうが、あとあとになれば「なんか、あの時って大会とか全部なくて、あっという間に1年終わっちゃったよね」と受け止められるようになると思うので、今はできることを頑張ってと伝えたいですね。

▲日常が奪われてしまった子どもたちに真剣な表情でメッセージを送る真中さん

新保 子どもたちのストレス分散のために、大人がしてあげられることって何でしょうか?

真中 まあ、話を聞いてあげることじゃないですかね。なかなか「これだ」という解決策ってないと思うので、子どもが話していることを、大人も仕事があって忙しいけれども、なるべく子どもに興味を持って、聞いてあげるだけでいいと思います。聞いてあげていれば、子どももスッキリするのかなと。

大人でも先が見えずに、結論が出ないわけですからね、難しいですよ。あんまり「どう? どう?」と聞きすぎてはダメで、さらっと空気を読みながら聞く程度ですが、僕もそうしています。親も気にしてくれてるんだな、と思うくらいでいいんじゃないかと思います。

新保 自粛期間では、親子関係も今までにないものになった人が多いと思います。

真中 ストレスにもなりますよね。夫婦だって、ずっと一緒にいたらつまらないことで喧嘩になるでしょう?

新保 なります、なります(笑)。

真中 そりゃ、普段いないのがずっといたらイライラする(笑)。だから、お互いに適度に距離をとって、会話しないことも大事(笑)。

新保 家庭内ソーシャルディスタンス。

真中 そうそう(笑)。