助けてくれたのは妻だけじゃない。先輩・有吉の存在
アルコ&ピースといえば「ラジオスター」としても熱狂的な支持を集めている。現在パーソナリティを務めるTBSラジオ『アルコ&ピース D.C.GARAGE』 は、カルト的とも言える人気を博す。
また以前レギュラーを務めた『オールナイトニッポン』もすごかった。最終回には、明け方5時にもかかわらず、数百人のリスナーが全国から駆けつけたほど。そんなオールナイトニッポンが、レギュラー番組としてスタートしたのが2013年。『THE MANZAI 2012』での“忍者旋風”が、オールナイトニッポンに直接つながっていたのか。
ここで。ひとりの大御所の存在が浮かび上がる。事務所の先輩である有吉弘行さんだ。
「有吉さんから直接ご飯に誘ってもらったりするだけで、僕らにとって自信やパワーになっていましたね」と語るように、有吉さんにご飯に連れて行ってもらったり、番組で失敗したときに気にかけてもらったエピソードは、ラジオリスナーにはよく知られている。
しかし、平子さんによれば “それ以上”にお世話になっていたという。
「有吉さんがやっているラジオ『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(通称:サンドリ)にアシスタントとして、ちょこちょこ出してもらっていて、そこで僕らを知ってくれたスタッフさんが多くいるんです。サンドリで繋がったスタッフさんの伝手もありました。
ラジオだけじゃなくて、学生時代にサンドリを聴いていた人が、テレビのディレクターになって僕らを呼んでくれたりすることもあるんです。僕らがテレビに呼んでもらったりする今の状況って、全て有吉さんのラジオから始まっているんです」
2020年10月に出版された平子さんの著書『今日も嫁を口説こうか』(扶桑社)では、妻である真由美さんのエピソードがふんだんに盛り込まれているが、土壇場で踏みとどまれた裏には、有吉さんの存在も大きかったのだ。
「本のテーマ的には妻・真由美がメインですけど、有吉さんのラジオのアシスタントが僕たちの“エピソード0”のようなもの。酒井も同じことを思っているはずです」
イチ視聴者として見ていると、アルコ&ピースは順調に芸人人生を歩んでいるように思える。レギュラー番組の他にも『ネタパレ』(フジテレビ系)で披露した意識高い系IT社長・瀬良明正は、グッズ展開やサントリーのCMに起用されるなどブレイクを果たした。
「瀬良社長はブレイクどころか、“プチプチ”ブレイクですね。僕らって基本的には溺れていて、目の前の藁を掴んでの繰り返しなんですよ。代表的なフレーズもギャグもなくて、目の前にすがる藁がなくなったら、人の藁の端っこを掴ませてもらってもらう」
そう謙遜するが、助けてくれる人への感謝の思いを胸に、タフなお笑いの道を行く。