配達員としての日常を綴った『アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記』を発売したばかりのフリーライター・渡辺雅史氏。ウーバーイーツが世に知られる前から配達員として働く、お笑いコンビ・いぬの太田隆司氏との笑いあり涙ありの特別対談をお届けします。

スポーツジム代わりにウーバーイーツ

渡辺 この度『アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記』という本を出しました、フリーライターの渡辺雅史です。今日はよろしくお願いします。

太田 お笑いコンビ・いぬの太田隆司です。丸々一冊、ウーバー配達員についてなんですよね! すごい! 今日は配達員仲間との対談と聞いて、楽しみにしていました。よろしくお願いします!

渡辺 ありがとうございます。日本でウーバーイーツが始まったのが2016年の夏。自分は2018年から始めましたが、太田さんはいつからでしょうか?

太田 僕は2017年の1月からです。

渡辺 おおっ! 先輩じゃないですか!

太田 いえいえ全然(笑)。僕はほぼオープニングに近いスタッフだったんですが、当時は道で配達員に出会うことがほとんどなかったですね。

▲著者でフリーライターの渡辺雅史氏

渡辺 そうそう。自分が始めたころでもそんな感じでした。すれ違うと互いに「あっ」て嬉しくなってね。

太田 懐かしいですね(笑)。渡辺さんは、どんなきっかけで始められたんですか?

渡辺 ラジオでフードデリバリーのサービスを紹介していて、面白そうだなって思ったんです。アプリを立ち上げたらすぐに働けると知って、それが新鮮でしたね。あとは、お金をもらいながら痩せてやろうって考えて。自分は身長が179センチあって、その当時は体重が100キロを超えていたし、糖尿病、高血圧、メタボもあって、運動を勧められていたんです。とはいえ、金を払ってスポーツジムに行くなんてアホらしい。

太田 理由が切実ですね……。僕はその当時、タイ料理屋でアルバイトをしていたんですが、突然ライブが入ったりして、急に休みをもらったりしているうちに居づらくなってしまって。そのときに出会ったのがウーバーイーツでした。

渡辺 芸人さんのアルバイトは、時間に融通がきくものがいいって聞いたことがあります。シフトを自分で作れるから、現代の若い人にも受け入れられてきているんでしょう。自分の好きな時間に働いて、ダイエットもできる、と。

▲ウーバーイーツ黎明期から働く、お笑いコンビ・いぬ・太田隆司氏

太田 でも、体を動かす仕事だから腹が減りませんか? おいしい食事を運んでいるもんだから、背中の荷物のことで頭がいっぱいになっちゃうことも。ついつい食べてしまうから「意外とやせない」という声も聞きます。

渡辺 おいしい店や人気店の情報が日々自分のなかで更新されていく、って利点はありますね。とはいえ財布に余裕はないという(苦笑)。