ごはんがすすむ自家製デミグラスソース

▲こちらはツレが頼んだポークソテー890円

続いてポークソテー。同じソースがかかって登場したから、やはりこの店自慢のソースなんでしょう。脂身が多めの豚バラ肉を厚めにカットして、シンプルに塩胡椒して焼かれています。

豚の特徴は甘さにあるから、こちらのちょっとほろ苦いデミグラスと相性がいいんです。これはごはんとお酒がすすむ一品です。

▲おまけに頼んだ唐揚げがすごい量だった

しばらくしたら唐揚げが出てきました。奥で調理していたお父さんが運んできてくれたのですが、思わずそのボリュームにびっくりしました。一つ一つがセブンイレブンのシュークリームくらいあるんだから。高校生だってこんなに食べられない。

このあたりで、うすうす気づき始めるのですが、この店はどうやら盛り付けが多い。いわゆるデカ盛りに近いボリュームがある。

私はテレビなんかで取り上げられる、うずたかく盛り付けられた料理を出して、ドヤ顔する店はちょっと苦手なんですが、こちらはそんな雰囲気とは全く無縁。こんな量が出てくる店にも思えない。一体なぜこうなったのでしょう。

▲同伴者もそのボリュームに驚くばかり

思わずお母さんに話しかけてしまいました。

「すごいボリュームですね」

「そうなの。昔近くに大学があって、学生さんがよく来てくれたから、その頃の名残でねぇ」

お腹を空かせた若い学生に満足してもらおうと思っているうち、気がついたらこんな量になったらしい。今ではあまり学生は来ないらしいけど、それでも誰かの喜ぶ顔が見たくて、こんな盛り付けを続けてくれているのでしょう。私たちはまんまと笑顔になって、ビールのおかわりを頼みました。

▲仲良しご夫婦

こちらのエポックは、なんと60年前からこの場所でやってるんだとか。お父さんは84歳で、お母さんは75歳。お孫さんの話をするときは二人とも目を細めて、ベタな表現だけど、なんだか実家に来たような気持ちになりました。

お父さんが奥の厨房で鍋を振るって、お母さんがカウンターから出来上がりの様子を見ている。なんて美しい光景なんでしょう。この光景を網膜に焼きつけたいとさえ思いました。

▲歴史を感じさせるオーディオ

私たちがたくさん注文したので、とても喜んでくれたお二人。こちらこそ、今日はありがとうございます。私はTシャツ短パンだし、もう一人も童顔ですけど、二人ともアラフォーのおっさんなので、「全部食べられないかもごめんなさい」と伝えたら、持って帰ればいいじゃないと。ああ、やはりここは実家でした。

帰り際、「また来ますね」と自然に言えた。ああ楽しい時間だった。喫茶店には、それぞれの歴史があるのだと改めて思った1日でした。また来週。

▲おうちでおいしくいただきました

黄昏時に今日も一杯 気まぐれ喫茶メシ』は次回7/22(金)更新予定です。お楽しみに!!

<店舗情報>
エポック
住所:東京都三鷹市下連雀6-12-10
営業時間:[月~土]10:30~14:00/17:00~22:30、[日]10:30~14:00
電話:0422-44-3679

※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。