ハイレベルな争いを見せる大谷翔平とアーロン・ジャッジ

MLBのレギュラーシーズン終了をもって、大谷翔平選手の初のホームラン王が確定しました。シーズン終盤の離脱で162試合中135試合の出場に留まったのにかかわらず、44ホームランを放ちタイトルを獲得した事実は、いかにとんでもない成績を残していたかを雄弁に物語っています。

通年ペースは53本だったので、怪我がなければどこまでいけたか……と妄想をしてしまいますが、投打の成績を合わせると2021年に続き、2度目となるアメリカン・リーグMVP獲得は確実でしょう。

ここ3シーズンは文字どおりMVP級の成績を残してきたわけですが、昨季(2022年)はアーロン・ジャッジ選手(ニューヨーク・ヤンキース)が、ア・リーグのホームラン記録を更新というとんでもない成績を残したため、惜しくも2年連続のMVPを逃す結果に。それでも投打で見せた偉業が色あせることはありません。

2022年シーズンのMVP争いは歴史に残るものでした。二刀流でエースおよび強打者としての成績を残した大谷選手と、MLB史に名を刻む成績を残したジャッジ選手――数字では計れない偉業か、あるいは歴史的な記録達成の意義か? 各メディアやファンのあいだで、さまざまな角度の議論が白熱しましたが、両選手ともに改めて振り返るとすさまじい成績です。

大谷翔平選手2022年シーズンハイライト
・2021年シーズンは満票でMVPを受賞し、この年も投打で大車輪の活躍。史上初の“ダブル規定”を達成
・投手成績:15勝/防御率2.33/219奪三振/投球回166/奪三振率11.87
・打者成績:打率.273/本塁打34/打点95/盗塁11/OPS.875/WAR9.6(※1)
・157試合出場、奪三振率はリーグ1位、申告敬遠数は14個でリーグ3位
ジャッジ選手2022年シーズンハイライト
・シーズン62ホームランを放ち、アメリカンリーグのシーズンホームラン記録を60年ぶりに更新(前61本)
・打率.311/出塁率.425/長打率.686/OPS 1.111
・選手の貢献度を表す指標 fWAR11.5 (野手内MLB史上17位)、rWAR10.6 (野手内MLB史上24位)
・wRC+(※2)がMLB史上歴代20位の207(平均より107%高い)

※1 WAR:選手の打撃・投球・守備・走塁を総合的に評価し貢献度を理論値として算出する指標。fWARはFangraphs社が算出する数値で、rWARはBaseball Reference社の同数値。

※2 wRC+:打者が創出した得点数をパークファクター(≒球場による影響)や時代を考慮した補正をし、平均値と比較をしたもの、つまりは「選手の打撃成績を偏差値化したもの」。wRC+ 207はFangraphs社算出のものを採用。