「大谷翔平はすごい!」それだけでいいじゃん
もちろん日本人の野球ファンが、日本人である大谷選手を応援するのは当然の心理です。実際、私も大谷選手の型破りな活躍には日々感激をしていますし、誰もなしえなかった偉業を日本人が成し遂げているという点は大変誇りに思います。
しかし、大谷選手に少しでも不利に映るほかの選手の活躍や発言を率直に受け止めず、日本人・アジア人への差別として捉えてしまうのは悲観的すぎではないでしょうか。そして、この誤った解釈を大谷選手と日本人への侮辱として受け止めてしまい、その反論として他選手や他チームファンを攻撃する発信を、多くの人に届くSNSなどに投稿する方も残念ながら一定数います。
特にそれなりの影響力や専門知識を持つ方が、このような行動を取るのを目にすると、「本当に大谷選手を応援しているのか?」と疑問に思ってしまいます。
22年のMVP争いに加え、今季もシーズン序盤でジャッジ選手と大谷選手がホームラン争いを繰り広げていた際(5月末まではジャッジ選手18本vs大谷選手15本)、「ジャッジは投手をできないから大谷が上」といった声や、ジャッジ選手が怪我により2ヶ月弱離脱をした一方で、大谷選手がHR量産体制に入り独走をし始めた際には「ジャッジは怪我ばかりだし、やはり大谷が上」といった心ない声が、記事のコメントやSNS投稿で見受けられました。
そのような発信は「大谷翔平」という偉大な選手の名前を汚してしまっているのではないでしょうか。実際、このようにあらぬ批判をするファンについては、現地では「一部の過激な日本人大谷ファン」として認知されてしまっています。個人的な所感になりますが、現地ファンが大谷選手に関してネガティブな話題を持ち出すとしたら、このような非礼を超す発信をする日本人ファンに向けるときくらいです。
大谷選手に限った話ではなく、何かに対して不健全なレベルで感情移入をし、少しでもネガティブな情報に過度に反応をするようなことは誰も幸せしません。あらゆるプレイヤーに敬意を抱き、年々進化を遂げている大谷選手をファン一丸となって、純粋に応援できる日が来ることを切に願っています。
日本人か否かなど関係なく、世界中の野球ファンが大谷フィーバーで盛り上がっている今、その情熱を同じ方向に向かって共有しながら楽しみませんか。