大きく変わる日本の働き方。テレワークをきっかけとして、職場の新しいルールづくりが必要です。挨拶の仕方、話の聞き方、会議の時間。外資系IT企業で20年以上前からテレワーカーとして実績をあげてきた片桐あい氏に、アドバイスをもらいました。

※本記事は、片桐あい:著『これからのテレワーク  新しい時代の働き方の教科書』(自由国民社:刊)より一部抜粋編集したものです。

“無法地帯”としないためのルールづくり

職場でのルールは決まっていますか?

  • 挨拶は明るく元気に、相手の目を見てさわやかに。
  • 人の話を聞くときにはパソコンの画面から目を離し、話し手に向き合う。
  • 会議は事前に議題を設定し、時間は1時間まで。

など、言いにくいことをルールにして貼り出しておくことで、人が不快に思うことを防止することができます。

▲“無法地帯”としないためのルールづくり イメージ:PIXTA

このルール化作戦は、職場のハラスメント防止にも役に立ちますし、特に会議の際には有効です。ルールであれば、それを守らなかったときにも指摘がしやすいですし、自分でも気づくきっかけになることもあります。

たとえば、休憩時間の使い方などは人事の規定があっても、各職場によって、上司の解釈によって、バラバラになることがあります。

基準になるものがないと、不公平になり、それを誰も指摘できないと、職場がダレます。それで、職場の倫理が乱れて無法地帯になる例をずいぶん見てきました。

特に、成果主義で、結果だけ出していれば誰からも注意されないというような空気になってしまうと、職場のみんなの士気も下がります。また、若手の教育上もよくありません。雇用形態が違う人たちの管理もうまくできないことになります。

ある程度の柔軟性は持たせながらも、これは譲れないというルールは設定し、全員の合意を得たうえで共有する。そして、時代に合わないルールは改定することをお勧めします。

権利だけを主張して、義務を果たさないような社員の横行を防ぐためにも、みんなが守って気持ちのいいルールづくりを実施しましょう。

テレワークを機に、職場のルールづくりを行いましょう。

ルールをつくれば、お互いに気持ちよく仕事ができます。人事の規定ではカバーしきれないような現場の決め事を共有しておけば、誰でも指摘ができます。そして、おかしなルールは時々見直しましょう。