飲んべえはカウンターで「ヅケまぐろ」を作る
私が頼んだ酎ハイは、大きくて安いのに220円。5杯飲んだって1100円。タダみたいものです。
ちなみに、こちらの店は混雑時にメニューを頼むのには、少しだけコツがある。カウンター内に立つ店員のお兄さんに向かって少しだけ声を張る、ただそれだけ。そうじゃないとお兄さんは、気づいてくれないこともある。だって調理に必死だから。こちらに気を配っている余裕なんてない。だからといって、決してサービスが悪いわけではない。手が止まった瞬間を見計らって「お願いします」と声をかければ、すぐに対応してくれる。
常連さんたちは、そのタイミングがなんとも上手。この間合いは、一朝一夕では身につかないよなぁ。この日は若い客がいたんだけど、自分のタイミングだけを優先して頼むから、向こうも手が止まってしまうわけで、それは店全体の損失だと思うんです。という私も、まだまだ先輩たちの背中を見て勉強している最中なので、偉そうなことは言えないのですが。
こちらの人気メニューが魚介たちです。市場から直接仕入れているそうで、新鮮なつまみが圧倒的な低価格で提供されているんです。たとえば、こちらのマグロはなんと150円。味だっていい。多くの人が注文するのも納得のメニューです。
ちなみに、私の好きな食べ方は、しょうゆ皿(というか皿の中にある醤油スペース)にしょうゆをたっぷりたらして、わさびをしっかりとく。そこにマグロを一切れ放り込んで、しばらく放置するんです。いわば、簡易の「づけ」ですね。1分ほどひたしたら、それを舌に乗せて、一気に酎ハイで流し込む。しっかりとした味つけになっているから、これだけで2杯はいけます。
続いてさっぱりとしたつまみを頼んだのは、実はね、昨夜も飲みすぎて、まだまだ胃が本調子ではないからです。ということで必然的に、二日酔い仕様のさっぱりメニューになります。
でもね、やっぱり酒場のつまみです。しっかりとした味付けだから酒がどんどん進む。そうすると、どうなるか。酒が進めば、今度は胃の調子も良くなっていく。ああ、不思議だ。毎日酒を飲んだら、どんどん健康になるってことでいいでしょうか。
揚げ物を頼むときは、最初のうちに見当をつけて、頼んでおくのがいいですね。揚げ物を待ちながら飲む時間が楽しいんです。いわば、揚げ物はメインディッシュ。年齢を重ねると、食べる量も減ってくるから、しっかり吟味したうえでオーダーします。揚げ物に向けて、どうやってコースを組み立てるのかが、おっさん飲んべえに求められる計画性なんです。
ということで、カキフライの到着に合わせ、お腹とお酒の具合は完璧。揚げ物の到着と同時にビールもオーダーします。フライとビール。どうですか。ごちそう、って感じがするでしょう。これぞ立ち飲みの醍醐味です。
酎ハイにビールを重ねたら、だんだん満足してきた。まだまだ飲みたいような気もするけど、それだったら座席のある店に河岸を変えましょう。このお店を口開けにして、赤羽という街にお金を落とす。それが経済を回すということだから。
私の支払った1500円弱が、日本の経済を一番下から支えていると思いたいものです。ということで、次の店に移動しましょう。夜はまだまだ長いから。ああ、楽しかったな。また来ますね。
『立ち飲み・マイ・ラブ♡ - 痛みに負けるな!-』は、次回3/18(金)更新予定です。お楽しみに!!
■立ち飲み いこい本店
住所:東京都北区赤羽1-3-8
電話:03-3901-5246
営業時間:11:000~22:00
定休日:月曜日(祝日振替)
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。