フォーマルの戦い:大谷似翔平セットアップ

ただ最近は会食や、お偉いさんとの打ち合わせが増え、claudio pandianiではフォーマルさが足りない場面も増えてきた。ペット厳禁、ロゴの犬には“お留守番”をお願いしなければならない。

そんなとき、無策でジャケットに逃げるのは嫌なので、桜井さんに相談したところ、

「モックネックがいいでしゅよ」

と言われた。僕は最初「ヨックモック」に聞こえた。あの青い缶のクッキーが脳内に蘇る。モックネックはタートルネックとクルーネックの中間で、首をちょっとだけ覆うアレだ。肌着が見えず、ゴワつかず、とても良い。首元が少し“くるん”としているのもヨックモックみたいでまた良い。

さらにジャケットは、ずっと憧れていた“セットアップ”を導入しようと銀座へ。すると大谷翔平が広告塔のグレーのセットアップがあり、一目惚れ。しかし値札は25万円。残念、断念。憧れるのをやめましょう。

ただどうしても諦めきれず、大谷セットアップにそっくりな色と形で5万円という「大谷似翔平セットアップ」を購入した。

髪型総選挙:星野源か、松田聖子か

服が整うと次は髪型だ。「社長 髪型」で検索すると、みんな爽やかで清潔感がある。一方その頃の僕は、なぜか“聖子ちゃんカット”に挑戦していた。理由は不明。切るのがもったいなくて、そのまま1年以上ロン毛のまま。当然、長ければ長いほど手入れが必要だが、ズボラな僕にできるはずもなく、清潔感のない聖子ちゃんカットは、さながら黒い珊瑚礁よろしくゴワゴワだった。

▲聖子ちゃんカット時代の僕、今見返すと聖子ちゃんでもなんでもないモッサリした男

そこで社内で「社長の髪型会議」が開催された。モニターにさまざまな髪型を映し、社長にふさわしい髪型をみんなで話し合った。話し合いの結果、星野源さんの髪型を参考にすることになった。確かに爽やかで清潔感がある。ロン毛をなびかせての恋ダンスだったら流行らなかっただろう。

かくして僕は1年以上伸ばした髪をバッサリ切って、以前より何倍もの清潔感を手に入れた。